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新訳『老人と海』刊行

 角川文庫からヘミングウェイの『老人と海』が刊行されました。ぜひご一読ください。若いころにはじめて読んだときにはこの作品のよさがさっぱりわからなかったものですが、いま、この老人と近い年齢になって読んでみると、人生のすべてが凝縮されたすばらしい作品だと思います。
 今回の新訳にあたっては、5つのポイントを意識して作業を進めました。

 1 固有名詞の表記
 2 綱か、縄か
 3 口調
 4 the boy の年齢
 5 一文の長さ

 それぞれについて、訳者あとがきでくわしく説明したので、ぜひ併せて読んでください。
 解説は、ヘミングウェイのすぐれた研究者であり、名著『ヘミングウェイで学ぶ英文法』の著者でもある倉林秀男先生にお願いしました(『シートン動物記で学ぶ英文法』はわたしとの共著)。
『老人と海』は、最近ではトップ画像の左の4冊が出ています。左下の今村楯夫さんの訳がはじめて「若者」を採用し、理由があとがきで20ページにわたって解説されています。その右の島村法夫さんの訳は注釈と挿絵が充実し、こちらも読み応えがあります(今村さんも島村さんも長年にわたってヘミングウェイを研究していらっしゃいました)。小川高義さん、高見浩さんの訳もそれぞれに個性豊かな名訳なので、ぜひこの機会に読み比べてください。

『老人と海』関係のトークイベントとしては、いまのところ、2月12日(月・祝)に練馬区立平和台図書館でおこなうことが決まっています。
【2月1日追記 満席となりました】

 このほか、まだ正式には告知されていませんが、石川県金沢市でも2月23日(金・祝)に刊行記念講演をすることが決まっています。
 なお、角川文庫では今月いっぱい、刊行記念のプレゼントキャンペーンをおこなっています。

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 今週末の京都・大阪では以下の講演・イベントがあります。いまからでも申しこめます。

◎1月26日(金)19:30~21:00
京都出町座(イベント主催 CAVA BOOKS)
 『オリンピア』(北烏山編集室)刊行記念イベント
 越前敏弥×樋口真理

◎1月27日(土)10:30~12:00
朝日カルチャーセンター中之島教室 一般向け講演
文芸翻訳教室(教室オンライン
※「文芸翻訳教室」は1月期でいったん終了し、以後は不定期開催となります。

◎1月27日(土)16:30~18:00
朝日カルチャーセンター中之島教室 公開対談
海外文学を熱く語ろう 2024(ゲスト・小竹由美子さん)(教室オンライン


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