『ターングラス 鏡映しの殺人』刊行
早川書房から『ターングラス 鏡映しの殺人』(ガレス・ルービン)が刊行されました。見てのとおり、非常に変わった体裁の本で、半分が逆さまになっていて、表からも裏からも(あるいは、右からも左からも)読むことができます。単に上下巻なのではなく、ふたつの話(エセックス篇とカリフォルニア篇)が互いにからみ合い、互いの結末に影響を与え合うという不思議な作品です。
早川書房の公式サイトやnoteにも、くわしい紹介記事が載りました。内容と装幀については下の記事をご覧ください。
少し前に開催された全国翻訳ミステリー読書会主催の「夏の出版社イチオシ祭り」でも、担当編集者とわたしがこの『ターングラス』を紹介しました(24:46あたりから。Q&Aは42:26あたりから)。ぜひご視聴ください。
通常なら「訳者あとがき」を入れるのですが、この本でははじめて「訳者なかがき」を書きました。そのすぐ横に(逆さになった)村上貴史さんの解説があります。
ふだん、わたしは紙の本より電子版を読むことが多く、どちらで読んでもかまわないと思っていますが、この作品はぜひ紙で買って読んでいただきたいです。
総ページ数は500ページ近く、装幀・造本がとても凝っていることを考えると、価格はかなり割安です。
いまのところ、『ターングラス』の読書会を3か所でおこなう予定です。
11月3日(日)に、いつもお世話になっている翻訳ミステリー福島読書会主催で、郡山で開催されます。すでに受付がはじまっています。アットホームで、はじめてのかたも参加しやすい読書会です。
このほか、10月26日(日)の午前に西宮、10月29日(火)の夜に東京で開催することが決まっています。正式に告知されたらここに追記します。
外枠の奇抜さだけでなく、ミステリーとしての巧みさでも人物造形のおもしろさでも際立っていて、ページを繰る手が止まらない本だとお約束します。ぜひ読んでください。
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