自分の口から出た言葉は、やがて何倍にもなって自分へと返ってくる
最近、ある音声ライブ配信サービスの朗読配信を聴いている。誰でも配信できるサービスで、主に一般の人だ。
配信中の部屋に入ると、配信主さんが区切りのいいところで「○○さん、いらっしゃいませ」と言ってくれるので、私もそのタイミングで「(配信主)さん、こんばんは」とチャットに書き込む。
私がいつも行く配信主のところはほぼ全部「入退室自由です」となっていて、挨拶するもしないも自由だが、一応の礼儀として、退室する時もタイミングを見計らって「今日はこの辺で失礼します」と書き込む。
大体の場合、配信主との挨拶はこの「1往復」で終わる。
先日、こんなことがあった。
ある配信を聞いている時、操作ミスで画面を閉じてしまい、また戻ると配信主がこう言った。
「○○さん、退室する時は一言言ってほしい。無言退室されると、配信主として悲しい。挨拶って大事だから。めんどくさいかもしれないけど、お願いします」
もちろん、みんなが聞いている配信中である。
私は「分かりました」とチャットに書き込み、「もう二度と来ることはない」という意味を込めて、また無言退室した。
「めんどくさいかもしれない」ではなく、「めんどくさいから」だ。
「操作ミスで画面を閉じてしまいまして」なんてわざわざ言うつもりはない。
その後、しばらく配信がなく、ある日突然「不満爆発」というタイトルで配信が始まった。(当時はお気に入りに登録しておいたので、通知が来た)
配信内容は大体見当がつく。
私はインターネットが一般的に普及していない時代から生きている人間であり、ネット上のいざこざを嫌というほど見てきた。(まぁ、自分もたくさんやらかしてきたが)
この配信主みたいな人の行動パターンもまた、十中八九決まっている。
私は身分を明かさない方法で配信を聞いていると、予想通り、
この前、無言退室した人がいて、また戻ってきたんだよ。それで「退室する時は挨拶してください」って言ったのに、その人また無言退室して。それでやる気なくした。心が折れた。自分は繊細なんだ。挨拶って大事でしょ?
という話が出た。間違いなく私のことだが、この程度のことで腹が立ったりしない。あまりに予想通りで面白いくらいだ。
さらに、これまた予想通り、
初見さんには期待してない。
ハンドルネーム見ただけで、朗読聴く気ないなって分かる。
とにかく無言退室が多くてうんたらかんたら……。
など、リスナーへの不満や愚痴のオンパレード。
メンタルが弱い人の、
他力本願
責任転嫁
被害妄想
この特徴を見事にコンプリートした。
一応「操作ミスとか寝落ちとかいろいろあると思うんだけど」と、少しは理解する姿勢を見せたものの、最後まで「自分が!自分が!」の考えは変わらなかったようだ。
挨拶のこと以外にもあれこれ言っていたが、面倒なので省略。
まず、この配信主は自分のことを「繊細」と言っているが、「繊細」と「メンタルが弱い」は似ているようで違う。「繊細」を自分の都合のいいように曲解し、自己弁護に利用しているだけである。
繊細な人であれば、「不満爆発」などの煽るようなタイトルで、しかも上記のようなリスナーへの不満や愚痴を「どこで誰が聴いているのか分からないオープンな場所」で堂々と口に出すこともしない。
「挨拶は大事」は正しい。
しかし、自由入退室が保証されている配信プラットフォームにおいて、運営ポリシーやガイドライン、さらにコンプライアンスやネットリテラシーに抵触するようなことは別として、挨拶の有無は個人の自由の範疇ではないだろうか。
どうしても挨拶してほしければ、プラットフォームから離れ、独立して
私の配信は挨拶必須です。お約束できる方だけ入室してください。
と、同意画面でも設けて配信した方が、よっぽど精神衛生上において健全だ。
自分の力でコントロールできないことにヤキモキしても、無駄な体力を持っていかれるだけ。
それに、やっぱり挨拶は信頼関係が築かれた、または築こうと努力してこそ成り立つもの。
そのためには、まずは自分が誠意を示すのが筋であると思う。
もし、
「こっちは誠意を示しているのに、みんなが応えてくれないんだ!」
と思うのであれば、それは「ギブアップ宣言」となり、ライブ配信をやめた方がいいだろう。
自分なりに誠意を示し続ける。
挨拶しないリスナー我慢して受け入れる。
この2択しかない。
「挨拶してほしい」とお願いするのも、期待するのも、心が折れるのも、やる気がなくなるのも勝手だが、「自分は傷つきやすい」や「挨拶は大事」などと言い訳を先に立てて、
初見さんには期待してない。
ハンドルネーム見ただけで、聞く気ないなって分かる。
とにかく無言退室が多くてうんたらかんたら……。
と悪態をつくようでは、同情は得られても、信頼は得られない。
私がよく聴く朗読配信主や雑談配信主は、みんな誠実だ。内心は穏やかじゃなかったり、面倒なリスナーに対してイライラすることもあるだろうが、少なくとも「どこで誰が聴いているのか分からないオープンな場所」(←2回目)で愚痴ったり、不平不満を言ったりしない。
そんなことをしたら、リスナーが気分を害し、離れてしまうことを百も承知だからだ。
まとめると、この配信主の最大のミスは「どこで誰が聴いているのか分からないオープンな場所」(←3回目)で、リスナーへの愚痴や不満を言ってしまったことだ。
「自分の配信なんだから、何を言おうと勝手」と思っているだろうが、口から出た言葉は、やがて何倍にもなって自分へと返って来る。
「そんなつもりで言ったんじゃない」
なんて言い訳は、残念ながら通用しない。
(↑これもメンタルが弱い人間の常套句)
ネットの世界は地獄だ。
あの配信主が、「挨拶しないリスナーが可愛く思えるくらい」の地獄を味わうことがないよう、祈るばかりである。
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ありがとうございます!(・∀・) 大切に使わせて頂きます!