見出し画像

銀行から「営業目標」がなくなったら。

長年、銀行員をやってきた。
転職した先が地方創生コンサルだから、他の会社・業種との比較が十分できているわけじゃないんだけど、銀行って、営業店に課される目標が、多種多様な気がする。

手数料、融資の件数やボリューム、色んな”獲得件数”と呼ばれる活動、投資信託や保険の販売件数、金額、その他取引先のサービスを紹介する系の目標とか。
各銀行で差異はあれど、大きくは変わらないんじゃないかな。

今日、ふと、思った。

銀行から「営業目標」がなくなったら。

例えば、有り得ないんだけど、
「今年一年間は、営業店のみなさんに、一切目標は背負っていただきません。銀行として、お客さんのためになると思うことだけに取り組んでください」
って言われたら、銀行員は、何をするだろう?どう動くだろう?


まず、自分の銀行が提供できるサービス・商品を再確認すると思う。
普段だったら目にも留めなかった、けど、よく見たらお客さんには一番喜ばれそうなささいなサービスがあることに気付いたりするかもしれない。

そして、何よりも、お客さんのところに行く気がする。
いつも、今まで話してきた銀行ど真ん中の融資や預金、投資商品じゃなくて、自分たち(銀行)はこんなサービスや機能があるんです、今、何にお困りですか?それは我々のサービスや機能で解消できたりしないでしょうか?って。
銀行都合で作り上げたものじゃなく、本当の意味での”ニーズ”を確認しに行くんじゃないかと思う。
その中で、本当に必要な先に、必要なボリュームのお金を貸し、お金を預かり、お客さんに見合った運用商品を、適した金額で取り組んでもらうんじゃないだろうか。

そして、自分たち(銀行)の提供できるサービス・機能の少なさに気付き、本部に色んな声が舞い込むのではないだろうか。
お客さんはこんなものが欲しいって言ってる、”中”になければ”外”と組んでもできないのか、って。

そんで、銀行も、商社みたいに、金融というベースを活かしながら、取引先や色んな外部のプレイヤーと、新たなサービスを生み出していくんじゃないかな。

こうやって書くと、なんか、普通に、そうしたらいいのに、って思う。
けど、そんなこと、できるわけない、ってのが現実。

全員・全体を変えるのは”できるわけない”でいいけど、自分は、自分で手を出せる範囲は。

そう思えると、少しずつでも、変わってく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?