【か】外国で飛行機が墜ちました «50の音と歌詞と»
ときめいたり、はっとしたり。そんな歌詞を切り取る『50の音の歌詞』シリーズ。今日は【か】。
外国で飛行機が墜ちました ニュースキャスターは嬉しそうに
「乗客に日本人はいませんでした」
「いませんでした」「いませんでした」
曲:JAM
歌:THE YELLOW MONKEY
作詞:吉井和哉
作曲:吉井和哉
発売:1996年2月29日
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わたしはTHE YELLOW MONKEYというバンドをリアルタイムで追うことはなかったのだけれど、再集結後に「なんでリアルタイムで聞いてなかったんだろう」と、たくさんYouTubeでPVを見ていました。
その中で、一番衝撃だったのがこの『JAM』。今から22年前にこんな曲がそれもシングルで発売されていたのかと、とにかく驚きました。(わたしはそのころ小学3年生だった。)
今ならニュースで外国で飛行機の墜落事故が起きても『ニュースキャスターは嬉しそうに「乗客に日本人はいませんでした」』なんて言わないけれど、確かにあのころは普通にそういう報道がされていたんだと思う。幼さ故にうろ覚えだけれど。振り返るとなんて恐ろしい報道の仕方だったのだろうと、そして小学生ながらそのニュースに全然疑問をいただかなかった過去の自分にもゾッとしました。
そして2016年末。紅白歌合戦に出場することになったTHE YELLOW MONKEYは『JAM』を歌うことになったと発表されます。さらに紅白の当日、大晦日の新聞にはTHE YELLOW MONKEYからの一面広告が掲載されました。
「残念だけど、この国にはまだこの歌が必要だ」
この一面広告に添えられていたのは、そんな言葉。
実際のステージの間奏で吉井さんは手拍子をしていて観客もそれに乗っていたけれど、わたしはただ画面を見つめるしかできなくて。曲の最後『外国で飛行機が墜ちました』と早口で音符に乗り切らないほどの言葉を畳み掛けるように歌っていた歌詞を聞いて、わたしはどこからかやってきたのかわからない感情がこみ上げてきてひどく困惑しました。
今は2018年。あの『JAM』から、もうすぐ2年が経つ日本でこの広告を、歌詞を見たら、人は何を思うんだろう。この歌詞を思い出すたび、自分の視点がどこか一点に固まっていないかと思わず自分を振り返ってしまいます。
歌詞全文はこちらから。
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