労働条件通知書と雇用契約書
なんだか似てるもの同士ですね
労働者を雇用する際、色々書類を作ったり、渡したり、保管したりする必要があります。
おそらくほとんどの方は「(雇用)契約書は必要やろ」と思っていることでしょう。
その通り、「(雇用)契約書は必要」ですね。
世の中には契約書を結ばずに雇用している会社もあったりしますが、トラブルの元凶になります。正しく雇用契約書は締結しましょう。
さてさて「雇用契約書」は世間一般にも知れ渡る書類ですが、良く似たものとして「労働条件通知(書)」というものも存在します。
これ、意外と実務慣れしてなかったりすると見逃されがちなのかなーと思ったりしています。
それぞれの違いなど、ざっとまとめてみましょう。
雇用契約書
その名のとおり「契約書」です。
契約に係るものなので、原則として「民法」の適用を受けます。
が、労働契約なので「労働契約法」の適用も受けます。
何書けばいいの?
契約は原則として自由に決定することができ(民法)、労働条件は労使双方の合意で決定される(労働契約書)ので、基本的には何書いても許されます。
細かいこといえば、法律や労働協約や就業規則に違反する内容を定めることはできませんけども。
書面は作る必要あるの?
「契約」なので、口頭での合意でも成立します。が、口頭合意は間違いなくトラブルの元なので、ちゃ~んと書面にしましょう。義務ではないですが、義務と思って書面にしましょう。
労働条件通知書
で、得体のしれない労働条件通知(書)。
これは何なのかというと「会社はあなたを●●という条件で雇いますよ」を示す書面です。
「契約(書)」とは異なります。会社が一方的に通知するものです。義務です。必ず通知しないといけません。
何書けばいいの?
労基法15条1項にも記載されていますが、必ず通知しないといけない内容(賃金とか契約期間とか労働時間とか)と、必要に応じて通知しないといけない内容(退職金(あれば)とか、休職(あれば)とか)があります。
書面は作る必要あるの?
労基法15条1項の後段にある「賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法」が、いわゆる書面での通知にあたるので、書面を作って通知した方がいいです。
書面でつくるに越したことはありません。基本的に書面にして通知しちゃいましょう。
で、具体的にどう運用したらいいの?
めちゃくちゃ簡単な方法です。
「労働条件通知 兼 雇用契約書」を作りましょう。
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