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ジェットコースターのようだと、あなたは笑った

わたしは生理前症候群がひどい。

生理一週間前くらいから感情が負の方に傾き始め、いろいろなことが前向きに考えられなくなる。周囲の人に感情をぶちまけては「またやっちゃった」と自己嫌悪に陥り、親密な関係を築くのが億劫になっていた。

そんなわたしには、お付き合いを始めてもうすぐ4ヶ月を迎える恋人がいる。彼と博物館デートをしたとき、事件は起きた。お腹が痛くてイライラしてしまい、彼の些細な行動に対して怒ってしまったのだ。自分でも信じられないくらい早口で強い言葉でまくし立てて、挙げ句には「好きかどうかわからない」などと言って突き放してしまった。

ああ、彼に愛想を尽かされちゃうかも。とても優しくて温厚な彼でも、さすがにこんな女とは今後も付き合いたいなんて思わないだろう。別れることが脳裏に浮かんで、感情がぐちゃぐちゃになって、わたしはパニックになっていた。

「つくしさんて、ジェットコースターみたいで面白い」

彼は怒るどころが、想像のつかなかった言葉で受け止めてくれた。生理前症候群特有の極端な感情変化を「ジェットコースター」だと言い、しかも「面白い」と笑ってくれたのだ。白状すると、言われたときは「なによ、ジェットコースターって!面白いって!」と内心いい気持ちがしなかった。

でも、生理が落ち着いて振り返ってみると、わたしの生理前症候群に対して、ポジティブな感情で反応してくれた人は、これまでの人生で一人もいなかった。彼は「どんなつくしさんも好きだ」と言って包み込んでくれた。

この日以来わたしは、生理前症候群と本気で向き合って治していきたいと思うようになった。彼を悲しませるようなことをしたくないし、彼が辛いときにわたしも辛くては、支えることができないと思った。

彼のやさしさに満ち溢れた言葉が、わたしを大きく変えてくれた。

#やさしさを感じた言葉

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