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麗しき毒蛇の復讐 備忘録というかあとがきというか

本編では長い間、雨宮優子の物語にお付き合い頂きありがとうございました。
noteに「創作にドラマあり」というテーマがあり、ドラマってほどのものはないし、本来の趣旨とは外れるかもしれないのだけれど、ちょっとした備忘録orあとがきの様なものを書いてみました。よろしければ暫しお付き合い下さい。
(この文章は「麗しき毒蛇の復讐」を書き上げ、最初にnoteに投稿した直後に書いたものなので、現在公開中の小説の内容と一部、合わないところがあります。当時の気持ちを残そうと、ほぼそのままにしています)


・この小説のようなものを書こうと思ったきっかけは、去年(2020年)8月頃、JUNK FILM by TOEI やHuluでスケバン刑事のTVシリーズや劇場版が見られる事を知り、30数年ぶりに懐かしーと思いながら見ていたら、なぜか当時以上にスケバン刑事にはまってしまい、色々情報を漁ったりしていて。ある日スケバン刑事Ⅱを見返していた時に、もしスケバン刑事の現代版が出来るとしたらどういうものになるだろう、自分だったらこういうものが見たい、作りたい、と思っていたらどんどん妄想が広がり、やがてそれがどうにも止まらなくなり、その日の深夜、午前零時を過ぎた頃に、ちょっと忘れないうちに文章に残しておこうと思ったのがそもそもの始まりです。
Wordで長文を書くなんて仕事以外ではやった事がなかったし、物語を書くなんて小学生以来じゃないかなんて思っていたけど、そしたら想像以上に文章にすることが面白く、言葉も次々と湧いてきて気が付いたら朝の5時に。たしか、たい子と病院の先生との会話のあたりまで一気に書いたような気がします。

・その朝もなかなか寝付けなくて、病院での「チリッ」「ヘタクソ」のあたりはその時思い浮かんだものです。もちろん本当にそんな音がするかは知りません。

・物語を書き始める前の段階で、ほんとかどうかは知らないが、スケバン刑事の劇場版を企画する際に斉藤由貴さんに声をかけたが「セーラー服はもう似合わない」と断られたらしいと知って、どうやらかつて初代は生きているという設定があったようだと思い、麻宮サキが生きているなら海槌麗巳が生きていてもいいんじゃないかとか、そういえば劇場版で究極のヨーヨーを西脇さんに返さなかったな。あのヨーヨーはその後どうなったんだろうなどと思っていたことがありました。

・海槌麗巳が生きているとして、麻宮サキが生きていると知ったら絶対復讐しに来るよな。でも簡単には見つからなくて、そして暗闇機関ぶっ壊して、そしたら最後の学生刑事が麗巳に立ち向かって と妄想が止まらなくなってしまったのです。いや、お恥ずかしい。

・主人公、雨宮優子の名前について、スケバン刑事の主人公の役者さんの名前が由貴、陽子、唯、(結花、由真)と全部や行で始まっていることもあって、名前の頭文字が、や・ゆ・よから始まるのは何かと考えたとき、最初に思い浮かんだのが「優子」でした。「雨宮」は原作者の漫画「スケバン刑事 if」の「天宮佑希」からいただきました。(ここで気が付きました。天宮佑希と雨宮優子、似てるな、ヤベー)。海槌麗巳の麗奈・氷川・アンダーソンも同じくスケバン刑事ifの「氷室麗華」から。

・優子も最初は一時的な仮の名だったのだけれど、書き進むにつれて段々愛着が湧いてきて、というか愛おしくなってきて、途中で変えようという気にはなれませんでした。

・東智也の東は割と適当で、西脇さんの西の反対の東です(笑)。できれば1文字にしたかったので(例えば神恭一郎の神みたいに)。東というとちょっと、もやもやしなくもないけれど(笑)。でもその後候補をいろいろ探したけれど、結局あまりピンとくるものがなくて、そのままという感じです。智也はサッカー選手名鑑見ながら、いいなと思ったものを参考にしました。

・この話は一応TVシリーズとその後の劇場版の後日譚として書いています。ので、基本的には松浦亜弥さん主演の劇場版のお話(いわゆるコードネーム版)は構想外です。一応会話の中の話として、ある登場人物らしいのは出てきますが(笑)。そういえば優子が太腿にヨーヨーのホルスター仕込んでいたのは、コードネーム版からのアイデアでしたね。あれは、あんなに重い究極のヨーヨーを、ポケットに入れて戦っていたらやりにくいだろうなと思ったから。他意はありません。でも優子のスカートの丈はそんなに短くはないイメージ。
一応コードネーム版を踏まえた話も考えたのですが(最後にニューヨークでサキと麗巳が決着を付けるとか)、妄想があまり膨らまないのと、辻褄が合わなくなるのと、やはり最後は優子に決着を付けさせたいというのがあって、コードネーム版は構想から除外しました。

・コードネーム版の話でいうと4代目(?)麻宮サキの母親役で斉藤由貴さんが出演していらっしゃいますが、TVシリーズの初代麻宮サキのその後の役としては、いまいち話の辻褄が合わないと思っているので(本当は合っているのかもしれませんが、私にはわかりませんでした。4代目か5代目かの麻宮サキだったというなら分かるけど。それと何か違和感強かったです)、個人的にはTVシリーズとは別個の話というか、初代を演じた人が、初代作品へのオマージュとして4代目(?)の母親役(元「サキ」役)をやったに過ぎないと解釈しています。それに暗闇指令じゃなく、暗闇警視だしね。
別にコードネーム版が嫌いという訳ではありません。悪評ばかり聞いていた割には、当初想像していた以上に面白かったです。

・優子が漁船に引き上げられるシーンで、船員が土座衛門だとして引き上げをためらう発言がありますが、あれは演出上の問題でああなっただけで、実際に漁船員の方々がそういう考えを持っているかどうかは知りません。多分無いんじゃないかと思っています。てゆうか、普通警察に任せますかね。それとも海上保安庁?

・この話は現在(2020年)の時点の状況で映像化したらという妄想が全ての出発点でそれをもとに書いています(コロナは抜きにして)。ので、現在海外在住と聞いているお京さんや雪乃さんは登場させませんでした。特に雪乃役の吉沢秋絵さんは芸能界から引退して長いので登場させにくく、そうするとバランス的にお京さんも難しいなあという感じです。個人的にあのトリオはバランスが取れてて大好きなんですけどね。(吉沢さんの海外在住の話もネット上のうわさで目にしただけなので本当かは知りません)

・由真さんも海外在住のため最初は登場しない予定でしたが、三姉妹のうち由真さん出ないとどうもしっくりこないなと思っていたところ、最後の舞台が成田空港ということで「あっ、こういうシチュエーションだったらいけるかも」ということでご登場と相成りました。

・海槌麗巳も高橋ひとみさんが演じてほしいなという思いがあり、海槌麗巳が整形手術を受けて顔を変えたという設定には敢えてしませんでした。普通あの状況なら変えるでしょうけどね。そういえば原作では麗巳が整形で顔を変えてましたね。

・それと平田たい子役の吉田康子さん、出てくれないだろうなあ。でもあそこの話は平田たい子じゃないと成立しないし。あと、李麗香とか伊集院要とか工藤美紀とかもどっかでちらっとでも出したら、もうちょっと面白い話になったかな。難しいけど。
ツッパリ2人組はいらない。2代目とデートとか今見てもムカつく(笑)。でも、2代目の旦那はツッパリ2人組のどちらかという設定もチラとは考えたのでした。
そういう意味では三平も? ちなみに剛三自殺にかかわったということで三平も麗巳の復讐の対象にしようかとも考えたんですけど、あまりにも殺伐としすぎるんでやめました。でもそれとは関係なしに、どっかで三平出したかったな。
目の前を赤いヨーヨーを持って走るポニーテールをしたセーラー服姿の女子高生。その後を追いかける黒服の男たち。その女子高生にかつての麻宮サキの姿を見た野分三平は、車のアクセルを踏み込み、男たちの前に突っ込んでいった。なんてね。

・暗闇指令の年齢、長門裕之さんの実年齢だとすると去年(2020年)86歳。さすがにこの歳で暗闇機関のトップはないだろう問題(もちろん既にお亡くなりになっているのだけれど、設定上の話)。そこはTVシリーズ1作目終了当時、実は暗闇指令は45歳ぐらいで、その30年後という設定だと、ギリなんとかってことで(笑)。

・書いていてつらかったシーンは、優子が悪夢の中の話で、仲間を置き去りにして逃げざるを得なかったところ。夢の中という話ですが、ほぼあの通りの事が起きたという設定です。
自分で書いておきながら自分で泣いてしまうというのは初めての体験で、不思議な感覚でした。

・あと優子が妹のことを回想するシーン。「鳥になりたい」なんてベタな話なのに、ベタな話って分かりきっているのに、なぜか泣けてたまりませんでした。

・上に書いたのと少しかぶるんだけど、物語の演出上とはいえ、やはり少女たちが死んでゆくという設定の話は書いていて気が重かったです。できるだけ生き残って欲しいと、重体者の数を増やしたり、あまり多すぎるのもリアリティが、と減らしたり。また増やしたり、減らしたり……。

・そしてやはり、中間章のところです。ここは一旦最終章まで書き上げた後、付け加えるか最後まで迷いました。
元々ここは、頭の中を整理するため、メモとして最後の作戦時について、話の流れの詳細を別に書いていたもので、その時は途中でつらくなっちゃって最後まで書けなかったとこでした。
優子の心象的に大事な部分とは分かるのですが、あまり好きな話とは言えないし、本文中に入れる事は考えていなかったんだけど、色々考慮の末、最後に付け加えることにしました。なんとなく、そこは避けては通れないというか、そうしないと物語の全貌が見えてこないというか……。何より純子をただの裏切り者にさせておきたくは無かった。でも果たしてそれが良かったのか。今でもよくわかりません。とにかくこの章を書くのはひどく疲れました。

・なにより中間章の問題は、タイトルを「純子」にしたことです。最初は「葛藤」とかそんな平凡なタイトルだったのですけど、ふと思いついて「純子」にしてしまいました。
その時、自分はなんて酷い人間なんだと思ってしまいました。
確かにその章に「純子」のタイトルはぴったりではあるのですが、なんだか人の死を人寄せに使うような、ひどく打算的な感じがしてしまったのです。でも一旦「純子」としてしまったら、もうそれ以外は考えられなくなってしまったのです。なにより「純子」にしてしまった以上、辛くて途中までしかメモとして書いていなかった作戦時の詳細を、必然的に純子の最後のシーンまできっちり描かなくてはいけなくなってしまったのです。やはり自分は根本的には打算的な人間なのでしょうね。否定材料を持っていないのが悲しいところです。

・書いてて楽しかったシーンはなんといっても、折り鶴の結花さん登場のシーン。自分で書いてて自分で感動するというのもなんとも不思議な感覚でした。

・あとはやはり2代目登場のシーンですね。個人的には中盤のクライマックス。このシーンを文章化したくてこの話を書き始めたようなもんです。このシーンは割と初期の妄想の段階で構想にありまして、ほぼそのとおりになっています。ほんとは最初の妄想のなかではもうちょっとハードなアクションもあったのだけど、その場の状況というか、南野陽子さんの年相応というか(失礼な)、これが限度かなって感じですかね。あと、あの女性が2代目サキだと明示する言葉は無いのですが、あのセリフで分かりますよね(笑)。

・初代の現在名の「織島」は自分に個人的に関係のある地名から取っています。「みゆき」はそのとき割とすぐ浮かんだ名前です。前日あたりに宇沙美ゆかりさんのwikiのページを見ていたからかもしれません。宇沙美ゆかりさんは当初スケバン刑事の主役に内定していたのに、他の映画の撮影と重なって降板となり、急遽斉藤由貴さんが抜擢されたという事情があります。その宇沙美ゆかりさんがそれ以前に主役を演じていたのが映画「みゆき」でした。ま、「ゆき」って字も入っていますしね。

・2代目、3代目と違って、初代は今回ヨーヨーを手にしていません。それは斉藤由貴さんが、スケバン刑事主演後、ヨーヨーを手にしている場面をTVその他で見た記憶がないからでしょうか、そういうシーンがいまいち思い浮かばなかったのと、話の流れからもその必然性がなかったからですが。それに斉藤由貴さんってヨーヨー上手くないしね(本人談)(笑)。

・初代の現在の職業について賛否あるかと思いますが(あるのか? 否はともかく賛は無いかも)、初代にしろ2代目にしろ、彼女たちの最近の出演作品を見てあまり違和感ないものを考えていたらこんなんなっちゃいました。「そのまんまやんけ」の声が聞こえてきそうです。いいんです。私はそれが見たいから。でも個人的には結構しっくりくるのよね。

・この話を書くにあたり、あまり説明的にならないようにしていましたけど、難しかったですね。基本的にはスケバン刑事をよく知っている人向けに書いたお話です。でもできるだけスケバン刑事の熱心なファンでない人が読んでも理解できるように、でも全部書いちゃうと冗長過ぎて興醒めするとこもあるし。でも分かる人には分かるような話もありつつ。そしてスケバン刑事って奇想天外・荒唐無稽な話は欠かせないと、当時のTVシリーズの雰囲気をちょっぴり残しつつ(残ってるかなあ)、リアリティも考えながらもガチガチにはならず、しかし辻褄はそれなりに合うように。その辺のバランスは難しかったです。
そうしてリアリティを追求すればそれだけ言葉数が多くなり、当初の自分の気持ちと少しずつずれていく。
そりゃ全部説明しろと言われりゃしますけど、はたしてそれで面白いのかねえ、読者の想像に任せる余地もあった方がいいんじゃないかと思いますけどねえ。元々フィクションの話で、話の本筋でもない部分でね。何を言ってるんでしょうね。結果上手く書けたかは分かりません。でもやはりスケバン刑事を知らない人にはあまり面白くないかも(いや知ってても面白くないかも)。それもTVシリーズや劇場版も見てないと意味が分からない話がいっぱいあるしね。

・リアリティという意味ではスマートフォンの扱いも難しかった。現代においてスマートフォン無しはあり得ないし、リアリティを追求しすぎると緊迫感がなくなるし、冗長になり過ぎるし。自分でもうーんって感じはします。所詮、緊迫感を演出するためのただのアイテムに過ぎないんですけどね。

・マッキンリーは今はデナリと呼び名が変わっていますが、由真さんは変わる前から何度か登ったことがあるので、昔の名前を使ったという設定。というか、唯さんの小ボケというか、単にアメリカにある山の会話でダジャレを使いたかっただけなんですけど(笑)。

・苦労した箇所はいっぱいありますが、例えば麗巳の本拠地に突入する前のシーン。優子1人じゃあまりに無謀すぎるし、東と一緒にというのもなんか面白くないし、唯さん結花さんをからませるにしても、どう辻褄を合わせるか悩みましたが、結局風魔の忍術とネットワークということに。ご都合主義といわれれば、はいそうです。としか言えません。でも忍者という設定は最大限活かさせてもらいました。それが無かったらこの物語は成立しなかったかも。

・ご都合主義といえば、ここが簡単にこうなるのはご都合主義だなあと思ったり、ちょっとここの話は淡泊だなあと、ちょっとその背景みたいなものを取り繕ってみようと追加した話が意外と気に入った事もありました。例えば優子が右手でのヨーヨーを練習する時に母親の事を思い出すシーン等。
ちなみに優子の母親がもしかして、かつて学生刑事だったのかどうかは
……読者の想像にお任せします(笑)。
でももし、そうだったとしたら……。色々想像が膨らみますね。優子がスカウトされた経緯なんか……。

・あと、暗闇の中、暗視装置も無しに森林の中を歩けるのか。ヘッドライトを点ける訳にもいかないし。かといって白昼堂々と突入というのもあり得ないと思ったし。で割と明るめの月夜の晩(満月か満月に近い)ということに。(そういえば、Ⅱのラスボスとの闘いも満月の夜だったなあ)実際にはそれでも歩くのは難しいでしょう。

・唯さん結花さんを一旦別れた後、どう優子と絡ませるかは難しかったです。一応風魔の秘法で優子の居場所を把握できたことにしていますが(結花さんの折り鶴の向きと傾きで、髪の毛の本人のいる場所の方角と大まかな距離を指し示す、みたいな。ここに至るまで結構紆余曲折ありました)、ちょっと強引だったかな。まあGPS発信機を使えば事は簡単なのだろうけど、忍者がGPSってのもねえ。それを四六時中身に着けているってのもありえんし、おまけに味方にそれを付けられるってのもねえ。

・麗巳の本拠地への突入のシーン。ここまでさほど3代目の活躍シーンがなかったので、ここらでひと暴れして欲しいとアクションシーンを書いたのですけど、ここはいまいちしっくりこなくて何度も書き直しました。結局シンプルに行こうとああなって、やっとしっくりきました。やっぱり文才無いのよね(笑)。

・同じく麗巳の本拠地への突入のシーン。麗巳が脱出口から逃げ出す際に白いガスが噴き出すのですが、ここを毒ガスとは明示しませんでした。TVシリーズでも同じようなシーンがあるのですが(そこでは毒ガスと言っていました)、今の時代、毒ガスというと、何かよくわかんないけど怖いもの、などではなく、もうはっきりと、サリンやVXガスというその恐ろしい効力を“間近に見て”知ってしまっているものなので、部屋が真っ白になるほどそれらのガスを使った場合、どういう事態になるか(もちろん、それらのガスに色が付いているか知りませんが)。万が一にも無事や軽傷で済むことはないことが分かっているわけで、リアリティゼロになってしまうのです。もちろん毒ガスがサリンやVXガスとは限らないのですが、ある意味それ以外のチンケなもん使ってどうすんの? となってしまうのです。思えばTVシリーズ放映時が、いかに牧歌的時代であったかを痛感するわけです(個人の感想です)。

・最後の舞台が成田空港だったので(成田かどうかはともかく、空港というのはわりと最初の妄想の段階からありました)、セキュリティとの兼ね合いで、麗巳の武器をどうするか。さすがに銃というわけにはいかないし、自爆用の爆弾もどうしようかと悩みました。自爆といったってダイナマイト持参するわけもなく。まあ、あれは現実にはあり得ないでしょうけど。ちなみにニードルガンの針はセラミック製という設定。うーん、それでも無理あるなあ。

・成田空港でサキと麗巳が最初に出会うシーン。最初は保安検査場へ向かう麗巳の前を、わざとらしく横切るサキという風にしてたんですけど、万一麗巳が気付かずにそのまま行っちゃったらどうすんねん!ということで、ああいうふうになりました。

・なんでC4じゃなくC4+なんてものを持ち出したかというと、それは多少幅広だとしても、ベルトのバックルに収まる程度の量のC4がどれぐらいの威力があるか、いまいちわからなかったからだけど、たぶん人二人吹き飛ばす程の破壊力は無いと思ったから。あとはセキュリティ上の問題ね。まあC4+なんて存在しない(と思う)けど。

・何故自爆か。よくわからないうちに銃で撃たれて死んじゃった、というのではなく、警察に捕まるぐらいなら、自らの意思で死を選ぶというのが麗巳らしいというか、そうあって欲しいというのも変な話ですが(あくまでもTVシリーズを見た上での個人的な感想)、これだけの事をしでかすのだから、自分もそれぐらいの覚悟はあるというか。関係ないけど最初の構想ではもっとグロい自爆シーンでした。

・3代目と結花さんをちょっと働かせ過ぎたかなあという感想。まあ主婦という設定にしたので、動かしやすいというのはあったんですけどね。おまけに元々忍者だし(笑)。映像化など有り得ないのだけど、麗巳の本拠地突入のシーンは一応黒装束ということで、スタントマン使いやすいかな、なんてね。

・一応、初代の現在の職業は警察官ではあるのですが、どっちかというと、公安に近いイメージかな? 普段は拳銃を携帯しない、特別な職務それも非公然的な職務についているというイメージです。仮に公安でも更に特殊な部門、あるいは海外の情報を扱っているところ、というイメージでしょうか。うーん。適当すぎる(笑)。
念のため肺がどうこうというのは、TVシリーズの最終回で麗巳との決戦のとき毒ガスを吸い込んだので、そのせいで肺を痛めたという設定です。とは言え、後遺症とかは無く、ある程度期間が経った頃には回復していたイメージ。背中に(ひどい)やけどの跡があるというのもその時負ったものという設定です。でも、こういうのがコードネーム版には無いんですよね。タバコ吸ってたし。

・前にも言ったように、これは現在の状況で映像化したらという妄想をもとに書いていますが、さすがに50歳を過ぎた彼女たちが立ち回りを演じる設定はきついかなあとも思いました。だから20年後の話にしようかなと、だったらギリギリ何とかなるかとも思ったんですけど、どうせ映像化なんかあり得ないのでそのままでいっか、で、そのままに。まあ、ある意味ファンタジーだし。違うか(笑)。

・あの「靴」の話。わかってくれるひと、いるかなあ。

・「つづく」として話を分けているのは別にTVでの連続ドラマ化したらいいなとかそういうのではなく、一旦そう書いたらなんかそれっぽくてかっこいいと思っただけです、はい。
第何章というのも一旦書き終わった随分後で付け加えました。
ちなみにそれぞれの章のエンディング曲は
第1章 楽園のDoor
第2章 シャドウ・ハンター
第3章 Remember
第4章 風のマドリガル
中間章 夜の東側
第5章 虹のDreamer
第6章 白い炎
最終章 Believe Again
てな感じでどうでしょう?
え? 言ってることが違う? 遊びですよ、遊び。
「夜の東側」は正確にはスケバン刑事の主題歌でも挿入歌でもないけど、この章は特別な章なので、特別な曲を。一応「よみがえる伝説の少女戦士~スケバン刑事スペシャル」というTV番組の中で、「楽園のDoor」のB面としてレコーディング風景を放送していたから、全く関係ないというわけでもないし。2代目は出番少ないし、その埋め合わせ的な。
でも一度中間章を自分で読み終わった後、「夜の東側」を聞いたら、もうそれ以外には考えられなくなってしまった。

・欲を言えば2代目の話をもう少し長くしたかったけど、あれが精一杯かなあ。やっぱり短いよなあ。

・2代目の現在の名前は物語の中では語られなかったのですが、一応構想としては、あります。それは「藤田志織」。なぜ「藤田」なのかって?
サガン鳥栖サポーターならピンとくると思う(笑)。

・スケバン刑事のTVシリーズといえば、「なんじゃそりゃっ」というツッコミ満載のお話なのですが、自分の性格なのか、発想が貧困な為か、この物語ではあまりそういう要素は作らなかったです。
せいぜい風魔の忍術とBウィルス程度。(Bウィルスなんてほとんどショッカーの世界。ちなみに元々B計画のBはBio TerrorismのBです)。
Ⅱのなめらや新体操3人組みたいなのも出てこないし(出るかっ)、初めから割と深刻な話だし、娯楽という面は少ないかも。無理や矛盾点はそこそこあるかもしれませんが(笑)。
自分でもいくつか気付いてはいるんですが、話のリズムが変わっちゃうのでそこは直しにくいのです。

・第1章で、麗巳が日本そのものを復讐の対象にし始める部分。ここも随分書き直しました。初めはサキに対する復讐だけではつまらないと、取って付けたような理屈で、自分が読んでも説得力ゼロだったのに(今読んでも説得力あまりないか)、言葉をこねくり回しているうちに、なんとなくそれっぽく聞こえてくる気がしてきたのは、ちょっと空恐ろしかったです。
物事、理屈など後からいくらでも付いてくるものなのかもしれません。

・日本に対する復讐、B計画、純子の弟の人質、最後の作戦。いろいろ風呂敷を広げ過ぎました。特に純子の弟の存在は、一旦これで最終稿だと思っていたところで問題に気付いて、話を途中から大幅に書き直す必要性にまで及んだ大問題でした。なんとかそこまで書き直すことなく済んだけど。そもそも最初は人質になったのは純子の弟じゃなく恋人という設定だったのに、恋人じゃちょっと弱いなと思い、弟にしたんだけど、その時はまさかこんなに大変な事になるとは思いもよらなかった。

・実はこの話、最初に書いた時は、優子が地獄城で究極のヨーヨーを発見した時、拾い上げて二度ほどスクロールして「使える……」とつぶやく設定になってました。
で、いよいよnoteに投稿しようと思っていた前日。ふと気になって「劇場版スケバン刑事」を見てみたら、2代目と地獄城の校長、服部との最後の戦いの中で、究極のヨーヨーのチェーンが服部の義手によって、切断されているではないですか!!
やべー、どう書き換えよう、と思っても、すぐにはいい案が思い浮かばず、「せっかく苦労して書いたのに、ボツにするしかないか……」とひどく落胆したのでした。
そうして一晩寝た翌日。「そうだ、予備のチェーンに付け替えたことにしよう!」と思い付き、たしかⅡでそんなシーンがあったはずと探してみたら、ちゃんとありました。
Ⅱの第10話、敵の一人をヨーヨーのチェーンで手摺りに縛り付け、そのすぐ後にもう一人の敵をチェーンでぐるぐる巻きにするシーンが。この時、2代目は予備のチェーンを持っていて、いつの間にか受け替えていた……そう考えないと辻褄が合いません。よかったー。ということで、無事、投稿にこぎつけたのでした。

・主人公にモデルとなった人はいません。標準語をしゃべっているので初代のセリフを少し借用させていただきましたけど。あり得ないけど映像化すれば誰がいいかは、これが全く見当つきません。今どきの若い二十歳以下の女優さん事情には疎いんでね。いずれにせよ、原作者じゃないけど、やっぱり「可愛い子」がいいなあ。それも目力がある。ね。
でも、若い女の子にあんなつらい目に遭う役をやらせたくないって、思ってしまう自分もいるのです。へんなの!!。

・あり得ない映像化の妄想ついでに、エンディングのシーンは、主題歌が鳴りながら、優子達がサキと握手するシーン。サキが優子をねぎらうシーン。アメリカの麗巳の会社や研究所にFBIが乗り込むシーン。長老達が集まっている所に国家保安委員会のお偉いさんが乗り込んでいって、長老達が土下座するシーン。東の意識が戻ってみんなで喜ぶシーン。優子がたい子に会いに行ってお礼をいうシーン。2代目が会議で何か発言しているシーン。包帯、絆創膏だらけの唯さんが旦那さんに頭をなでられているシーン(思わず旦那が唯さんをガバッと、で2人が抱き合っているのもいい感じ)。結花さんが旦那さんと笑顔で電話で会話していて、由真さんが横でそれを聞いててクスクス笑っているシーンってとこですかね。
最後は、優子の部屋に置かれた学生刑事の仲間達との集合写真と、そのすぐ前に置かれた、傷だらけの究極のヨーヨーってとこですか。
(追記:最後にプロローグを追加して、そこにいくつか加えました。)

・この話を書き始めた最初の1週間はほんとに楽しかった。世の中にこんなに楽しいことがあったのかと。こんなに楽しい思いをしたのはサガン鳥栖がJ1昇格を事実上決めた鳴門決戦以来かって感じ? でもあれは楽しいというより嬉しいという感じか。そうすると初めて日本の3000mクラスの仙丈ケ岳の稜線歩いた時以来か。あそこの稜線は短いけど、このままずっと歩いていたいと思った。あれは楽しかったなあ(遠い目)。

・物語の後に浅香唯さんの「Believe Again」の歌詞を載せたのは、本当に一旦ラストシーンを書きいていたときにずーーっと頭の中で流れていたからです。その歌詞の内容がこの物語にピッタリあっていると思って載せちゃいました。それまで浅香唯さんの歌で一番好きだったのは「セシル」だったんですけど、この話を書いている途中で「Believe Again」が一番のお気に入りになりました。是非、物語を読み終えた直後に、「Believe Again」を聞きながら歌詞を読んで欲しい。


・この物語を書いている時間は本当に楽しかった。この拙い私の作品を読んでくださった方々には、本当に本当に感謝いたします。そしてこの作品を世に出す場を提供してくださったnote関係者の皆さん、また写真やイラストをご提供頂いたnoteクリエイターの皆さん方、本当にありがとうございました。
最後に原作者の和田慎二さん、スケバン刑事のTVシリーズ・劇場版をこの世に残してくださった東映、フジテレビの方々、スケバン刑事の主演を務めていただいた方々を始め全ての出演者、全ての関係者に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

                             三日月 秋

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。