見出し画像

火曜日しばらく雑記帳・2023 CW51

今週2回目の、火曜日の雑記帳だ。今月は2023年の振り返りとして番外編を1本と本篇を1本、毎週に書いていてこれで3週目だ。番外編がちゃんと火曜日に出ているのに、本編が木~土曜日に滑っているわけだが、むしろ本編のほうが平常運転である。それはヘンといえばヘンだが、前にも同じことを書いたが、世の中もっと変なことも多いので、このくらいは許されてしかるべきだろう。

さて、年 5 冊目になる洋書は、馴染みが多少ある素粒子物理学の一般向けの一冊、ヒッグス粒子の予測と発見にまつわる "Elusive: How Peter Higgs Solved the Mystery of Mass" を読んでいる。

重力の起源を説明するヒッグス粒子は、1964年、ピーター・ヒッグスが35歳のときに予想した素粒子だ。ヒッグス場による自発対称性の破れによってあらゆるものが質量を持つ。そして、なかでも質量がゼロの光子に相当するとても重たい粒子が存在するという。それがヒッグス場を作るヒッグス粒子だ。最近になってによって存在が確認され、ヒッグスはフランソワ・アングレール氏とともに 2013 年にノーベル賞を受賞した。

今、ようやく、ジュネーブにある CERN (欧州原子核研究機構)のLHC (Large Hadron Collider:大型ハドロン衝突型加速器)の建設が終わり、ついに2010年の3月に 陽子ビームのエネルギーが、4 テラ電子ボルトまで達したところまで来た。ヒッグス場の理論が確立されていく過程も面白く、ピーター・ヒッグスの人柄にも惚れる。ほかのスター物理学者とは異なり、物静かで謙虚、いくらか孤独感をまといながら、本人そっちのけでメイントピックの中心にされてしまう。

物理学者のヒーローの一人で宇宙論のスティーヴン・ホーキング氏が、LHCが立ち上がるころに「ヒッグス粒子は実在しないから見つからないだろう」とあちこちで発言し、「LHCによってミニ・ブラックホールができるかも」、「上の次元が開いて別のパラレルワールドへの窓が開くかも」など、センセーショナルに発言していたらしい。それに対して、ヒッグスが「全部の論文を読んだわけではないけれど、発言の根拠とされているらしい論文を読んでみたところ、ホーキング氏の計算は間違ってますよ」という具合に丁寧に反論するなど、二人が交錯するくだりはなかなか考えさせられる。


ホーキングのように影響力が絶大な超一流の専門家でも分野が違うとやはり間違えることもあるし、自分の専門分野での知見を根拠にした想像であまり妥当でないことを考えたり発言することも多い。

レベルは相当に違っていても、普通のサラリーマンの居酒屋論議しているのと大して変わらない、概してそういう発言を人々は喜ぶ傾向が多い。メディアに多く出ていろんなことを断定してもてはやされている専門家は専門家でないことが多いので注意が必要だ。


人々が喜びメディアが飛びつくような勝手なことを断定して話をしたり争ったりができるのは外野だけだからだ。



■そういえば、今年の秋は何かが欠けている、と思っていたら、今年の11月はビーツを見かけなかった。いつもビーツを調達している、新横浜の自然食品のお店も、京都のスーパーでも、どちらでもみかけなかった。この 2-3年6月ごろと11月ごろの年2回、ちょうどビーツの旬のころになると、手頃な価格で手頃な大きさのものが出回り、ようやく日本もビーツの人気が出てきたか、と思ったのだが。

残念だがしかたがない。

今頃、オレンジカリフラワーが出回る。普通の白いカリフラワーと味や食感が異なることは特にないが、彩はいいし、出回る時期が限られているせいか、価格はリーゾナブルだ。

2023/12/14 夕食 紅芯大根とアスパラ菜のスパゲティ。
付け合わせはオレンジカリフラワーとレタス、そしてイタリアの安旨ワイン、キャンティ。


グーラッシュを作ろうと思ったら牛肉の塊肉がなく、薄切りを使ってグーラッシュ風ハヤシ。牛肉とジャガイモに金時人参と玉ねぎをじっくり煮込んで、パプリカのペーストを加えてさらに煮込んでグーラッシュ風。

2023/12/15 夕食 グーラッシュ風ハヤシ

パプリカのペーストはトルコ産の瓶詰だ。Amazonで売っているので便利だ。料理に使う分量がいまだにうまくつかめず、少し試行錯誤している。量が多いので、せっせと使わなければ。

寒い冬は、グラタンやドリアのようなものが食べたくなる。ペシャメルを作ることを厭わなければ簡単だ。12月17日は海老ドリアを作った。バターでみじん切りの玉ねぎを炒めて海老を投入し、そのまま米を入れて軽く火を通したあと、水を入れて炊けばピラフができる。人参のみじん切りも入れた。これにペシャメルをかけてチーズを載せてオーブンで焼けばよい。チーズと一緒にブロッコリも載せれば彩もよし。

2023/12/17 夕食 海老ドリア
2023/12/17 夕食 海老ドリア

ペシャメルが少し緩かったが、味はばっちり想像通りだった。想像通りの味で仕上がると嬉しいものだ。

毎週、土曜日は朝のうちにジョギングに行ってくるが、その後の昼食は外食にすることが多くなった。たまには牛丼屋もいい。

2023/12/16 昼食 松屋 牛めし頭大盛、そしてビール

先週は一回もラボにもオフィスにも顔を出さなかった。金曜日は Year End Partyが六本木のオフィスで開かれたが、ちょっと仕事の段取りが悪く移動時間を失ってしまい参加できず。弁当は作らず、昼はいつも通り、ミーティングの合間などにちょいちょいと簡単なものを作って食べていた。

2023/12/18 昼食
豚で肉じゃが風、オレンジカリフラワー、レタス、出汁巻き、しば漬け、雑穀入りご飯にふりかけ。


■先週、ひっかかった音楽を少し。

1.ベトナム出身でフランスで活躍している女性ボーカル、Huong Thanh (フン・タン)が参加している Guo Gan のシングル "The Black Horse of Hue"が印象的だった。

"Three Perfumes"という Guo Gan のアルバムからのシングルだ。Guo Ganは中国の二胡奏者で、着物の女性は箏の日原史絵だ。

メインのボーカルは Huong Tanhだが、他の二人もそれぞれ楽器の演奏だけでなくボーカルも披露していて、なかなか楽しい演奏ばかりだ。9曲目はおなじみ "Sukiyaki" (上を向いて歩こう) だ。この3人ならではのアレンジを楽しむことができる。

彼女のCDは日本でも販売されているので、どんなミュージシャンでどんなアルバムを出しているか興味ある方のために、Disk Union の記事を貼っておこう。

HUONG THANH / フン・タン商品一覧|PUNK|ディスクユニオン・オンラインショップ|diskunion.net

私は、Nguen Le (グエン・レ)というギタリストが大好きで、そこからのつながりで Huong Thanh もフォローしている。

フン・タンも、ベトナムのルーツを大事にしながら、箏や二胡など東アジア中心に様々な音楽を幅広く取り入れ、現代のポピュラー音楽に仕上げているのが好感触だ。

声も明るく発音や抑揚がはっきりしていて、笑顔が思い浮かぶようだ。

なお、Guo Gan と Huong Thanh と箏奏者との演奏するのは、新しいものではない。だいぶん前かららしく、YouTubeでは14年前のものも見つかる。


二胡の奏者の Guo Gan も YouTube で検索するといろいろ音源が見つかる。

Guo Gan .Duplessy Crazy Horse Band --(3) China TV live 2017も面白かった。

中国のCCTVの映像だが、まるで、America's Got Talent のような番組みたいだ。

箏・三味線の奏者の日原史絵についてはオフィシャルサイトをリンクしておこう。


2.フラメンコの歌い手 Encarna Anillo (エンカルナ・アニージョ(*)) の "Dulce Veneno" 。

(*)日本語表記は誤っているかもしれない。正しい発音など何かあればコメントいただければ。

ここのところ、フラメンコの味付けのポピュラー音楽や、ポップスやジャズを取り入れた新しいフラメンコをよく聴くような気がする。来年あたり、久しぶりにフラメンコがブームになるかも、と思っていたら、ストレートなフラメンコだ。

このミュージシャンも、フラメンコのフレーバーの良いポップスをリリースしてきている。なかなかいいではないか。

惚れた。


3.トランペットの Ambrose Akinmusire (アンブローズ・アキンムシーレ)のシングルが耳にひっかかった。この静かで前衛的な作品に、平然と無表情に参加できるギターは、そう、ビル・フリゼルだ。

アンブローズ・アキンムシーレにビル・フリゼル、そしてドラムスに Herliin Riley のトリオで、アルバム "Owl Song" がリリースされていて、そこからのシングルカットのようだった。

ビル・フリゼルは大ファンなので、あちこちに書いてきたように思う。

この記事中にも貼ってあるが、ゾクゾクとするほどかっこいい Bill Frisellのトリオのライブを貼っておこう。

静かなギターのイントロから始まる "1968"、さざ波が少しづつうねるように盛り上がっていく途中、ディレイのループバックで包み込むような音を重ねながら熱を帯びてきて、その中から Lookout for Hope のメロディがふわっと浮き上がってくる。音数は多くないが迫力とスリル満点だ。そして最後に曲のイントロのフレーズが余韻のように繰り返される。

たった今、この部分を書きながら聴いているがゾクゾクくる。

アンブローズ・アキンムシーレは、私としたことが知らなかったのだが、なかなか広がりのある音を作るのが気に入った。


4.エジプトの歌い手、Mai Farouk (マイ・ファルーク) 

Spotifyでも YouTube でも、National Arab Orchestra で歌うライブの音源がいくらか出ていて聴くことができる。

ポップスもあるようだ。 

"Remastered"とあるが、Kadebt Einayah は10年ちょい前の曲みたいだ。リサーチ不足で詳しいことはわからない。


■ジョギングは、先週は新横浜、今週も新横浜の予定で、12月28日の早朝に京都に帰り、京都で走って一年の締めくくり、という予定でいる。雑記帳・番外編#3 に書いたとおり、よほどの事故がない限りは目標を達成できることだろう。

2023/12/16 Y.T.D. 612.1km 今年のゴール 640km まであと27.9km。ゴールは間近!


それにしても世界の一部がクリスマスだ年末だと浮かれている中で、なぜ、こんなことが続くのか。酷い話だ。


即時停戦を求めるものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?