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Googleシステム障害とその他雑感:可用性と完全性と機密性

12月14日の晩のGoogleシステム障害。1時間ほどで復旧したが、YouTubeなどの Google 傘下のサイトが軒並みダウンして、けっこう驚き焦った方も多かったことだろう。なかでもこの方への影響は甚大だったようだ。

私はといえば、Smartphone からPCへの写真の転送をちょうどしようと思っていた。これは Google Photo の代わりに Microsoft の One drive に上げれば OK。

e-mail は Gmailを使っているが、ほとんどがお知らせメールだし、家族や親せきとのコミュニケーションは主に LINE、友だちとのコミュニケーションは主に Facebookだから、よっぽど長引かなければ問題なし。

Evernote, Scrapbox, Dynalist といった最近の常用のツールは問題なかった。 そして、office ツールは、Microsoftの office 365 を使っている。YouTube のBGMが止まったくらいだったが、これも Amazon Music もあるし、代わりは他にもある。

だから、それほど慌てはしなかったけれど、それでも気になって気になって、障害発生期間中、Yahoo他でのリアルタイムの情報収集や、googleのサイトで状況をチェック (Google Work Space Status Check)、Facebookでの友人と情報交換などで、結局なんやかんや、1時間以上、時間をとられてしまった。

それにしても、私の個人の IT 環境は、問題が大きくなった、というより、私がどんどん取り残されているような感じがした1年だった。たとえば、上の私の状況を見ると、「オールドファッションでいけてないなー」と思う方がほとんどだろう。

今回は、Googleのシステム障害を機に考えさせられた、野口悠紀雄の仕事術のあれこれや、Googleアカウントのポリシー変更についてリスクマネジメントに触れつつ、Googleやfacebook, Amazonの独禁法違反の話題や、そのような状況をふまえて、これらの巨大IT企業が、これから2030年までの10年でどんなチャレンジに向き合うことになるのか、そして、情報の可用性・完全性・機密性(*1)に関しての若干のうん蓄・知見を述べようかと思ったが、しかし、私の手に余るのでやめにして、この1年の私の IT 環境にからんだ雑感を書いておく。

さて。そういった私の取り残され感は、機材の問題ではないとはわかっていながら、来年は、ノートPCを新調しようか、どうするかな、と迷っている。

個人用PCは、10年くらい前の Panasonic のLet's Noteを使っているのだけど、古いけれどいいマシンだ。キーボードの打鍵感もタッチパッドの感触もよくて手に馴染んでいる。なので、次も同じように軽くて小型、丈夫で使い勝手がいい、そこそこパフォーマンスがよくて長く使えそうなマシンが欲しいな、と思うと結構値段も張る。それよりも、PCは今のまま、だましだまし使い続けて、Smartphone をもっと活用するほうに舵を切ったほうがいいじゃないか、と思うところもあって踏ん切りがつかない。

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しかし、Windows 10はやっぱり荷が重いようで、火傷しそうな熱風が左側面のファンから排気される。今の時期は暖房器具として使えるくらいだ。そして、たまに熱で 電源が断、レジューム機能がうまく働いて立ち上げなおせばそのまま継続できるものの、やっぱり嫌なもんである。

この何年かで Web ベースのサービスを使うことが、多くなってきた。今年は特に実感させられた。だから、ブラウザが重いと非常に困る。

それだというのに、長年愛用してきた Chrome が重すぎる。度々、メチャメチャ腹が立ったので、若干マシな Edge に変えた。Microsoftの思うツボというのは嫌だったが、仕方がない。Chromeも、リリースされた当初は、軽くて速いのが魅力だったのに、今は見る影もなく、CPUパワーもメモリも食うし、最近他にもいろいろイマイチな体験があったので、10月ごろに切り替えた。

上の記事を見ると、まだ、Chromeのシェアが7割弱もあり、少々驚いたが、この先10年の間では大きく変わるかもしれない。

そういえば、私が情報をため込むのに便利に使っている Evernote 、デスクトップアプリがこの間のバージョンアップで、ありえないほど重たくなって、使えないレベルになってしまった。これもWeb版は軽快に動くし UI も同じで違和感もなく、比較的快適なので、最近はこちらを使うことにした。ちなみに、Smartphone のアプリはスルスルと軽快だ。CPUのパワーもメモリもずっと貧弱なはずなのに。

もう金輪際PCは相手にしない、とばかりにデスクトップアプリだけでなく、Web版もなくしてしまったサービスもいくつかあった。最近は開発側も、PCをメインに使うような年寄りの面倒まで見切れません、ということなのか、 Smartphone アプリ1本にしていきたいのかもしれない、と勘ぐってしまう。これも時の流れなのか。

そんなことを考えていると、今年は、いろいろ変化を作ろう、自分の生産性を高くして生まれ変わろう、と思っていたはずが、むしろ、何かを押さえつけるように閉じこもって自分のできることをルーチン化して坦々とこなしてきたような気がする。しかし、このご時世だからこそ、と、どんどん新しいことにチャレンジしている友人も何人もみかける。そんなことでも、少し気後れしてしまっているのも事実だ。

やっぱり親しんだルーチンを再構築したい。そのように考えると、Smartphone をもっと活用するようにシフトするべきなのかもしれない。

今年に新しく始めたことといえば、オンライン飲み会くらいか。Web会議、リモートワークは、何年も前から会社では普通だったので、特にどう、ということはなかった。だが、オンラインでZOOM飲みというのは、2019年の夏ごろに、すでに楽しんでいる人もいると聞いてたが、しかし、自分ではしたことがなかった。今では、1か月に1 - 2 回くらいだろうか、結構楽しませてもらっている。今晩も、このあとすぐ 24 時からフィンランドの友人と2時間くらい、ZOOMで飲む予定になっている。愛用の Let's Note でZOOMを開きながら、今、この note を書いているのだが、左手の下あたりの発熱がかなりのもので、落ちそうで冷や冷やしている。 Task Manager を起動して負荷の変動を睨みながら書いている。

そういえば、一か月前だったか、 Online で ZOOM ごしに京都のスナック・四条木屋町Mickで飲んでいた。

30代前半の若いお客様2人が音楽好きだったこともあって、盛り上がった。

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※顔出しは了承いただいています。

そこで「最近の、これを聴くべし、というのがあったら教えてほしい」と聞いてみた。

まず、上の写真の奥におられる方のおススメは、これ。細野晴臣、山下達郎の「パシフィック」。・・・おいおい、私はそういうのを求めているのではないのだが。ただ、私はこれは初めて聴いた。なかなかよい。くせになりそうだ。

「本物なのか偽物なのかまったく分からないパラダイス感!あれこそ日本の誇る千里眼アートですよ!」

とのことである。


もう1人の方は「私のモットーは地産地消」ということで、京都出身のミュージシャン、中村佳穂を紹介してくれた。

これも、なかなか良い感じだ。

逆に、「おとっつあんは普段、何、聴いているんですか?」と若者に聴かれた。まぁ、いいが「おとっつあん」と呼ばれたのは初めてである。確かに彼らの父親でもおかしくはない年齢ではあるが、思わず大笑いしてしまった。

で、答えたのが「最近、もっぱらビレリ・ラグレーンばかり聴いているな。」

なんとベースを弾いている2018年のライブの動画を見つけて、それであまりに驚いたのと、サウンドがとても心地よかったのが良く、何度も視聴した。

もともとはジプシージャズ、8歳でジャンゴ・ラインハルトのカバーで神童と呼ばれ、1980年に12歳でレコードデビュー、超絶天才ギタリストだ。私は確か1987年にギターシンセをバリバリ弾いていた Inferno で初めて聞いたように思う。

とにかく、テクニックもすごいが、音楽の幅も広く、窮屈さを感じさせない。ビレリ・ラグレーン節というか、とにかくギターがよく歌っている。2012年以降アルバムを出していないようだが、ライブ演奏はずっとやっているようだ。


この音源は2016年のライブだけども、これも最高だ。2曲目の Stevie Wonderの Isn't She Lovelyもリラックスしていてよいが、なんといっても1曲目だ。サックスとのテーマのユニゾンにせよ、ソロにせよ、緊張感たっぷりで圧巻だ。そして、とても楽しんでいる雰囲気がいい。

昔懐かしい馴染みのミュージシャンに耽溺するよりも最近の人を追いかけたいとずっと思っているけど、今年は、どちらかというと、ビレリ・ラグレーンをはじめ、再発見の年でもあったように思う。

それにしても YouTube のおススメ動画は、自分のそれまでの視聴履歴からあまりに偏よってしまうので、かなり不満である。しかも、動画だから パワー・ハングリーだ。もっと、PCが発熱しない、そして、自分の知らない世界の音楽を幅広く勧めてくれるそういうプラットフォームが欲しい。・・・ラジオか。そういえば radiko、Samartphoneにインストールして、少し聴いていたけど、最近、聴いていない。

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さて、冒頭に野口悠紀雄氏の note をリンクした。私は、1993年の「『超』整理法」でショックを受け、まだ、社会人駆け出しだった当時からずっと、押し出しファイリングのコンセプトは私が仕事を進めるうえでの基本となっている。完全に分類しない、となるとやりにくい場合もあるので、仕事ごとに、おおまかな分類を併用しながら、使った順に時系列に並べつつ、検索によって必要な情報を引き出す、そんな感じだ。

仕事でもプライベートでも、One Drive, Share Point と情報はクラウドに自動的にあがっていく。情報の処理もWebアプリがメインだ。そうはいっても、道具にしても情報にしても手元にあったほうが便利なことも多い。ローカルにもファイルがどんどんたまっていく。エッジ・コンピューティングというかキャッシュというか、うまくコントロールしたいものだが、なかなか思うようにうまくいかない。

そういうと、最近の人はハッシュタグをうまく使っているだろう。 #私はちょっと苦手 #Scrapboxを活用 #SNSを使って情報収集と整理 #やっぱりテキスト #おしゃれ #今風 #面倒なことも #タグでしゃべるな  ・・・ #といった感じ 、だろうか。

まだ、超AI整理法は試していない。情報は、可用性と完全性と機密性が大事である。一本足打法で可用性を重視しすぎると足元をすくわれることもあるだろう、というのが今回のGoogleの障害で見えたところもあろうか、と思う。リスク管理も大事だよな、と考えつつ、とにかくアウトプットの質と速度を上げようと思うにつけ、来年はいろいろ試してみよう、と思いながら、PCを買い替えるべきかどうか、まだ迷っているところだ。


■注記

(*1) 情報セキュリティの3つの要素「機密性」(Confidentiality)、「完全性」(Integrity)、「可用性」(Availability)、略して CIA という。情報セキュリティ関連のテストには必ず出る。本文内で順番が違うのは、可用性のことばかり考えていたからだ。

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