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火曜日しばらく雑記帳・21:南極点近くの解答 "How to Solve It" 補記

生物は何はともあれ通過点であり生命の本領は生命をつたえる運動にあるのだ。(ベルクソン「創造的進化」 p.160)


■ 一昨日の記事 G.Polya著 "How to Solve It" の感想をつづった記事の最後に、有名な問題をポンっと引用しておいて、私が考え足りなかったことを告白しながらも、解を書かずにおいておいた。

問題は以下のようであった。

問題1:熊がP点を出発し、南に 1 mile 進んだ。そこで方向転換し、東に 1 mile 進んだ。さらにそこで方向転換し、北に 1maile 進んだところ、もとの P 点にちょうどきっちり戻った。さて、その熊は何色か?

せっかく吉隠ゆきさんからコメントいただいたので解答をここに書いておこうと思う。

前提:地球を球とみなし、移動は、その理想的な球体の表面上でなされるものとする。また、南北に移動するとは経線に沿って動くものとし、東西に移動するとは緯線に沿って動くものとする。

case 1 答え:白

Pが北極点なら、問題の動きを満たすことができることがわかる。そして、北半球では、そのほかのどの点も満たすことができない。

case 2 答え:何色ともいえない

Pは南極点に極めて近いところにも存在する。Pから南に 1 mile 移動した点を Qとしよう。Qから緯線上を移動し、ちょうど 1mile で1回転してQに戻るのであれば、Qから北に 1mile移動すれば P に戻れる。そのように Q, P を選べばよい。

また、Qから緯線上を n 回まわって ちょうど 1 mileになるようにすることができることもすぐに気が付くことだろう。nを無限大に近づけると Q は南極点に限りなく近づく。

しかしナンキョクグマはいないので、色は不定、である。

ちょっと下手な絵だが、せっかく描いたので貼っておこう。

可能な P 点は複数ある。

解答が存在するためには、問題に明示されていない前提があるわけなので、そこは実は任意に考えることができる。「熊がいない地域は解答から除外する」という前提を明記したうえで、答えはただ一つ、白、と答えても正解だろう。だから、答えは複数ある、とあまり強く言うと反発を受けそうだ。

その点は問題が悪い、ということになるのだが、問題の文章中に前提条件を全部きっちり書くと答えのヒントになってしまい、この問題の場合は面白味を失ってしまう。にも関わらず本書にこの問題が取り上げられているのは、実は「本当に白熊だけかい?Pって一か所で本当にいいかい?ちゃんと自分で証明してみた?」と考えさせるためなのだ。

私は、この本を読んで、最後のこの一問を見て解答にあたってみたときにちょっと衝撃を感じた。「常に謙虚であれ」と強く戒められたように思っている。


■ 頭を使うと、エネルギーが必要だ。土曜日はルーチンのジョギングもしたので夕食はガッツリ行こう、とハンバーグと卵入りカレーライス&チーズのオーブン焼き。

2022/8/20 夕食 白ご飯にハンバーグと生卵を載せて、上からレトルトのカレーをかけてチーズをたっぷり載せてオーブンで焼く一品。右側のカレーの下にポーチドエッグ状の卵が埋まっている。

普段、カレーもルーを使わず自分で作るし、ハンバーグもレトルトは普段買わないしハンバーグミックスも使わず自分で捏ねて作る。しかし、この手の料理はレトルトで作ると、これはまた手軽だし美味いものだ。ハンバーグはマルシンハンバーグ、カレーは咖喱屋カレーでイメージ通りの味だ。

そういえば、先月もレトルトカレーを使って、カロリー爆弾的夕食を作って食べた。ラタトゥイユのオムレツとバジルのスパゲティに、ボンカレー。

2022/7/15 夕食 スパゲティは 2.2mm 堂々12分茹での極太を使いバジルと塩だけでシンプルに。ズッキーニとナスと紫玉ねぎをダッテリーノ種トマトとプロヴァンスハーブミックスで煮込んだラタトゥイユを、白ワイン入りの薄焼き卵でくるんで(ちょっと裂け目ができたが。。)オン。そのうえからボンカレー。

昨日は、3週間ぶりに川崎の実験室に出社。設備や配線や計測器やらモノに触るのは楽しいものだ。朝、弁当を調理する時間は30分ほどだが、その間に、抱えている課題やその日の段取りなどをあれこれ考える。一日のリズムを作ることもできるのが具合がいい。

2022/8/22 昼食の弁当:豚とビーツと万願寺の地中海風、山科唐辛子の焼いたの、ミニトマト、だし巻き、みょうがの酢漬け、麦ごはんにふりかけ。

ビーツはシーズン終わりか、それでもお盆に京都に帰ったときにスーパーで手頃な大きさのを売っていたので入手して使っている。移動体無線業界の R&D マネージャで、ビーツを入れた弁当を自分で作って出社するのは世界広しといえども私一人かもしれない。


■ 先週にひっかかった音楽をいくつか。

1.ついこの間紹介したブラジルのジャヴァン、ミルトン・ナシメントとの共演の一曲を収めてある新しいアルバム、リリースされたばかりの "D" がいい。

ジャケットもオシャレだ。先週、12曲目の"Iluminado" がシングルカットされている。



2.インドのシタール奏者、Niladri Kumar (ニラドリ・クマール)のつい最近のシングル "Journey (Raag Jaijaiwanti)" がなかなかよかった。1973年生まれで1989年のアルバム"Together"から Spotifyでは17枚のアルバムがリリースされている。ザキール・フセインや、ジョン・マクラフリンをはじめ、内外の多くのミュージシャンとも共演しているので、これまで知らずにいたのが少々迂闊であった。

2021年のアルバム "Source Code"も


2.日本のバンドで私がぞっこん惚れていて大ファンなのが、ポルカドットスティングレー、幕張でのライブのトレーラーが YouTube に上がっていた。

新曲はツキカゲ。


4.台湾の女性ベーシストが魅力的なバンド、大象體操ElephantGymは、5月に新しいアルバム "Dreams"をリリースした。そのことについては 雑記帳 8で書いた。

7月末ごろに、そのアルバムから南極か、もとい、何曲かがYouTubeに上がっていてなかなか魅力的だ。


5.アラブ・ナショナル・オーケストラが 8/11にアップしていたライブ演奏が、よかった。

歌はパレスチナのシンガー、Nibal Malshi。フェイルーズやウム・クルスームを思わせる深い声と節回しがいい。

まだアルバムはリリースされていないようだ。Spotify ではシングルばかり数曲がひっかかるだけだが、最近、よく聴いている。


6.ノルウエーのジャズシンガーのセリア・ネルゴール、なぜかアンテナにひっかかってきた。1990年のリリースのアルバム "Tell Me Where You're Going" は購入して当時よく聴いた。パット・メセニーがプロデュースしたということで話題だったのだ。

2020年のデビュー30周年記念盤は2枚組 トータルで2時間超、27曲入りの豪華版だ。 


もう少しじっくりと紹介したいところだが、聴き始めて日が浅いが面白い・ぞっこん、最近はほとんど聴いてないけどそういえば、というのが多いし、もとより知識もあまりないし語る言葉をそれほど持っていないので、ずらっと並べるだけになってしまう。歯がゆくてしょうがない。言い訳はしたくないが、まぁ、許してほしい。


■ 先週の土曜日は、新横浜で朝8時すぎからジョギングに出た。まだまだ暑いがだいぶん楽になってきた。

新横浜ー鴨居の往復のコースを 13.8km
2022/8/20時点で422.5km 計画比 99.4% 今年の目標は 670km

この花は、ジョギング中に鶴見川沿いで見つけて写真にとったのだが、ヤノボンテンカというのだそうである。本日 (8/23)の 之哲/Yuki Satoruさんの記事で知った。なかなか綺麗な花だ。


涼しげな北欧から写真を一枚。

写真はフィンランドの河、ボートで釣りを楽しんでいるところ、というのは私が撮った写真ではなく、フィンランドの友人 Keijo Salmivaara (ケイヨー・サルミヴァーラ)が WhatsApp で送ってくれた。7月いっぱい、ラップランドにある自身のコテージや親せきのコテージへ行き、のんびりサウナに入ったり河で釣りを楽しんだりバーベキューをしたり、とゆっくり休暇をとるとのことだ。

また訪れたいものだ。

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