MLB Column 2007: 4. CBAと野球協約
【こちらのコラムは筆者がMLB選手エージェント事務所にてインターンをしていた2007年当時のブログからの抜粋です。当時の記憶を保存することを目的としているため、修正なしで掲載しています。現在とは異なることもありますので予めご了承下さい。】
⚾︎▶︎▶︎ CBAと野球協約 ◀︎◀︎⚾︎
現在、仕事?でMLBのCollective Bargaining Agreement(労使協定)を勉強していますが、本当にややこしい。一度で全てを理解するのは不可能です・・・。これからいろんな問題に直面して、何度も何度も読んで、地道に覚えていくしかありません。
でも、ややこしいくらいのCBAによって、メジャーリーガーたちは様々な面で権利を守られている。
選手たちの権利は、細部にわたり選手会とリーグとの契約として認められているのです。
しかし議論の場を与えられていること自体が、彼らに与えられている大きな権利です。CBAは半永久的なものではなく、4-5年のスパンで改定されていきます。時代の流れにあわせて、議題に挙がることも変わってきますが、その都度、選手会側が意見する権利を与えられているのです。選手はあくまでも被雇用者ですから、これがあるべき姿だと思います。
一方、日本の球界はというと、プロ野球機構で決定された「決定事項」が野球協約として与えられている。「球界再編」が謳われはじめて早3年。選手会とリーグの議論の場は増えているようですが、やはり強者と弱者の力関係は、全く変わっていない気がします。野球協約は、一方的に決められるべきものではなく、話し合いの結果、両者が納得した契約として決定されるべきものなのではないでしょうか?
野茂選手がメジャーへ渡る際にとった「任意引退」という手段。その後、一方的な協約の変更によって、不可能になりました。もちろんこの手段が罷り通ることは日本球界にとって有益かと問われれば、答えは明確です。しかしこの問題に対する協約の変更をリーグ本位で決めてしまうということに、やはりMLBのそれとは異なる部分があったわけです。ここでCBAが存在していれば、「任意引退」という手段による海外移籍は禁止されても、FA権取得の期間短縮とかいう提案をして、話し合う権利があるわけです。それがないというのは、実際異常なことなのかもしれません。
いずれにしても良いものをつくっていくには、一方の押し付けではなく、歩み寄りが不可欠だと思います。それは誰もがわかっていることではありますが・・・。
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