MLB Column 2007: 3. 桑田投手と大家投手
【こちらのコラムは筆者がMLB選手エージェント事務所にてインターンをしていた2007年当時のブログからの抜粋です。当時の記憶を保存することを目的としているため、修正なしで掲載しています。現在とは異なることもありますので予めご了承下さい。】
⚾︎▶︎▶︎ 桑田投手と大家投手 ◀︎◀︎⚾︎
「桑田投手、メジャー緊急昇格!」
正直、3Aに合流後わずか1週間での昇格には、ちょっとビックリ。しかし桑田投手には夢の舞台で頑張って欲しいですよね。
さて、しかし桑田投手のようにマイナー契約の選手がメジャーに上がるのは本当に大変なんです。その理由は、以前話した通りRosterに上限があるから。
まずメジャーでプレーするためには40-Man Rosterの枠に入る必要があります。そのうちActive Rosterと呼ばれベンチ入り出来る選手は、1度に25名まで。
さて桑田選手のようなマイナー契約の選手がメジャーに上がるために、当該チームはActive Rosterと40-Man Rosterに入っている選手を削って枠を作らなければいけません。
Active Rosterの方は、比較的軽い故障者が出た場合(15DL)に、40-Man Rosterの中から選手を召集するのが一般的です。つまりその場合、40-Man Rosterの40名に変更はありません。
しかし今回のようにマイナー契約の選手をメジャーに昇格する場合、 40-Man Rosterの誰かをトレード・60DL(60日間故障者リスト)入り、もしくは解雇しなければならないのです。
簡単に言えば、40名に入っている選手の中での25名の取替えは(またちょっとややこしいルールはありますが)比較的自由。40名に入っていない選手を招集するには、誰かを切らなければいけない。ということです。
だからこの40名枠及び25名枠に入るというのは、本当に大変なことです。それをこれだけ早くやってのけた桑田投手は凄い!きっとタイミングもあったとは思いますが、それでもやっぱり凄い!
しかし桑田投手のように昇格する人もいれば、40-Man Rosterから外される憂き目に合う選手もいるわけです。先日メジャー50勝目を挙げたばかりのToronto Blue Jays・大家投手が、今週この通告を受けました。やはりシビアな世界です。
しかし、こうして苦労して得られたメジャーだからこそ、価値がありステータスも上がるわけですね。晴れてメジャーに上がることによって、マイナーとは全く違う契約を結ぶことが出来るわけです。
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