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【学び32冊目】あなたの会社を永続させる方法 成長戦略~事業継承のすべて

【学び①】 選択と集中

経営戦略としてのM&Aですが、いきなり「多角化計画」に乗り出すのは危険です。リスク分散のために得策と思いきや、実は経営者にとって最重要の既存事業が手薄になってしまうため、かえってリスキーなのです。

まずは、既存の得意な事業に力を入れ、その市場で地位を築き上げることを最優先します。その後、その既存事業の関連事業に手を付け、最後に「多角化経営」という順序になります。

「一倉定の経営心得」にも、経営者が得意でない分野には手を出さないのが無難であるとありました。事業を一気に広げるタイミングを早まってはいけません。まずは、得意事業に図太い基盤を敷いてからです。ゴーイング・コンサーンという概念がありますが、会社は基本的には継続して存在することが想定されているので、それに合うように経営者も会社を大きくする戦略だけではなく、会社を守り、長続きさせる戦略もとらなくてはいけません。

【学び②】 M&Aにおいての成功とは何なのか?

そもそも、なぜM&Aをするのか。M&Aにおいての成功とは一体何なのか?

まず、この問いに答えるためにはM&Aの買い手を2種類に分ける必要があります。

①ファイナンシャルバイヤー

②ストラテジックバイヤー

①は投資会社であるのに対して、②は一般事業会社です。

そのため、①の場合は投資し、転売することが目的なため、成功はROI率に大きく依存するところがあります。一方で、②の場合は、事業戦略として長期的なシナジーを生み出すことが目的であるがため、短期的にROI率だけでは、その成功を図ることはできません。かと言って、定量的な目標が不要な訳ではなく、より難しいものになっています。

勢いのある戦略と慎重に攻める戦略は使い分けなければなりませんが、M&Aのように、失敗すると大惨事になってしまうような戦略な場合は、慎重に動くのが無難だと感じます。まずは、業務提携から小さく始め、長期的シナジーの発生率を見極めます。そして、提携する会社を同業種にするか、異業種にするかによっても、またメリット・デメリットがあり、会社の目指すところにより、決定しなければなりません。このように、要検討事項がより多い②のM&Aであるからこそ、スモールスタートから入るべきなのです。

【学び③】将来のキャッシュフローが会社の値段を決める材料に

M&Aの際に、会社の価値は、かなり重要な判断材料のうちの一つ。会社の価値を計る将来のキャッシュフローを考慮した上で、現在企業価値を決める方法をDCF法があります。社債と利息の考え方に似ており、将来得られる利息と市場が現在の市場価値に影響を与えるように、将来の継続して得られるキャッシュがどれだけあるのかを、企業価値の決定材料とします。

M&Aのような重要な決定をする際は、P/Lのようなスナップショット的な財務諸表を判断材料とするのは、非常に危険であると感じます。業績は良好にも関わらず、買掛金、借入金などを返済するキャッシュが足らず、黒字倒産、なんていうこともあり得るからです。






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