特許活用研究生

メーカーの知財マンとして、事業に役立つ特許情報の活用方法、提案方法を研究しています。足…

特許活用研究生

メーカーの知財マンとして、事業に役立つ特許情報の活用方法、提案方法を研究しています。足掛け10年で得られた知見をできる限り公開していきます。「どのように特許を事業に活用すればいいの?」同じ悩みを抱えている知財マンの皆さん、まずはお立ち寄りください。

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  • 特許情報活用

    特許情報の活用について、日々の業務で得られたことを日記感覚でまとめていきます。

最近の記事

特許情報を分析する上で大事なこと2

過去記事で特許情報分析のコツについて少し触れました。 例えば、ある技術テーマについて、他者特許情報の動向を開発者にどのように伝えればいいのでしょうか? コツは、それぞれの特許情報を断片的に説明するのではなく、共通の軸によって関係性を比較しながら説明することです。「ベビーカー」に関する他社特許のうち、下記の2件の他社特許情報の動向を開発者に伝えなければならないシーンがあるとします。(件数は絞ります)   1.特許第7123451号   2.特開2022-24641 2

    • 特許分析テーマをどうするか?

      普段、メーカーの知財として働いていると気づかない壁が早速現れました。(社外の)皆さんと特許分析スキルを共有するためには、私含め皆さんが理解できるようなテーマを設定しないといけないですよね。。 さっきから「どのようなテーマがいいか?」をずっと探しているのですが、探している過程で特許庁の特許出願技術動向調査を取りまとめた資料を見つけました。(普段なら絶対見ない・・) 複数の分野について、技術動向をまとめている資料ですが、ものすごく時間と手間をかけて検討されているんだろうな~と

      • 私の特許情報分析スキルの現状

        前回の投稿から時間が経ってしまいました。。実家への久々の帰省や家族サービスなど、少しバタバタしてまして、ようやくまとまった時間がとれました さて、さっそくですが、具体的な事例を設定して実際に特許分析していきましょうか!その前に、今の私の特許分析スキルを振り返ってみたのですが、とても自慢できるほどでもなく、むしろ恥ずかしい限りです。。 防御特化型の特許分析スキルです。私の会社では、なるべく他社特許の抵触リスクを取り除くことに重点が置かれ、他社特許を確実に回避してから世の中に

        • 特許情報活用手法を検討する際に参考になった書籍の紹介

          どのように特許情報を分析すれば、事業に活用できるのか?どのように事業ぶや研究開発部門に特許情報を伝えれば、相手は活用してくれるのか?日々の業務をこなしながら、あれでもないこれでもないと改良しながら、少しずつ自分なりの答えを出していきました。その中で、参考にした書籍を一通り紹介したいと思います。 1.ビジネススクールで身につける仮説思考と分析力 仮説思考とは何か?から説明して、仮説を裏付けるための分析の考え方を説明しています。やみくもに全部を調べていては時間がいくらあっても

        特許情報を分析する上で大事なこと2

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        • 特許情報活用
          8本

        記事

          特許情報を効果的に伝えるためには?

          特許情報を事業に活用するためには、特許情報を上手く分析することと、もう一つ重要なポイントがあります。経営者層や事業部、研究開発部門の複数の関係者に分析結果を伝えられなければ、特許情報を効果的に活用できないことに最近気づきました。 なんとか分析結果をまとめるところまでできて、パワーポイントのようなソフトを使って、どのように報告していくかをまとめて報告するのですが、知財部門が作成する資料は文字数が多くて、スライドも多くて分かりにくい・・・というのが関係者からの評価でした。 何

          特許情報を効果的に伝えるためには?

          特許情報を分析する上で大事なこと1

          知財を経験したことがある人なら、少なくとも一度は特許マップを作成して、依頼者に報告する機会があったのではないでしょうか? 「特許マップを作成する」と聞いて、まず何を思い浮かべますか? 私は、特許マップソフトにデータをぶち込んで、ひたすらデータをこねくり回すことを「特許マップを作成する」と勘違いしてました。 最近、分析という意味合いにやっと気づきました。たしか、どこかの本に書いてあったことなんですが、目から鱗が落ちる思いでした。 分析とは、「木を斧でスパッと切る・分ける

          特許情報を分析する上で大事なこと1

          特許情報を上手く事業活動に活かすために必要なこととは?

          前回の記事で、特許情報には事業活動に必要な情報が書かれていることに触れました。 でも、特許情報を積極的に事業に活用している企業ってなかなかいない印象を持ってます。私の会社もまだまだだし、私自身も、やっと提案できてきたなという印象です。それだけ特許情報を事業に反映させることが難しいということです。 では、どうすれば、特許情報を上手く事業活動に活かすことができるのでしょうか?私は、大きく分けると次の2つに何らかの原因があるのではと考えています。 1.特許情報の分析のしかた(

          特許情報を上手く事業活動に活かすために必要なこととは?

          特許情報には事業活動に必要な情報が盛りだくさん

          特許情報をよく見てみると、技術に必要な情報がもれなくまとめられていることに気づきます。 1.技術分野の背景技術 出願した人がどこまで記載するかによりますが、人によっては丁寧に周辺特許をまとめている特許もあります。こんな技術がありますよ~という掴みの部分です。 2.特定技術の技術課題 ある技術に着目して、その技術の問題点を指摘しています。発明につながるきっかけになる情報で、事業活動に最も必要な情報かなと考えています。私が今後紹介していく特許活用方法で、キーになってくる情

          特許情報には事業活動に必要な情報が盛りだくさん

          どうして特許活用方法を発信しようとしたの?

          2020年4月で、メーカーの知財マンとして節目の10年目を迎えました。複数の事業部、研究部門の知財案件を担当しながら、様々な経験を積んできましたが、ここ最近、「特許をどのように活用すればもっと事業に貢献できるのか?」といった疑問と共に仕事と向き合っています。 巷では、「IPランドスケープ」という特許情報を経営に活かしていこうとする考え方があり、日本経済新聞でも記事として取り上げられるようになりました。いよいよ知財がどのように経営に貢献できるのか、それが問われるようになってき

          どうして特許活用方法を発信しようとしたの?