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vol.176「プロフェッショナルとは何か:『釣れるには理由(わけ)がある』。コアマン社 泉裕文さん【前編】」

「趣味は?」と聞かれて「えーっと、、、仕事と勉強です」と答えそうな無趣味男。「実益がない道楽」を趣味と呼ぶなら、釣りはほぼ唯一の趣味です。
※余談ですが、釣り・映画・読書・異業界テーマの勉強・料理、、、とすべて一人でできるもの限定。友だちがいなくても困らない。

◆プロフェッショナルとの出会い。(2015年8月)

いわゆるビジネス書で「有益な本」の条件を、
試行錯誤のすえに体得した成功手法を、細かく具体的な How+背景 Why付きで、惜しげなく開示している
だと考えています。趣味の分野でもおなじです。
中でも「釣り」は特殊で、魚が釣具メーカーや有名プロに協力して「釣られてあげる」ことは無い=結果がすべて。読んで試したアマチュアでも成果が出るかどうか=再現性がすべて。完全に実力勝負の世界です。

東京湾シーバス・ルアー釣りの研究をはじめて間もなく、その条件に当てはまる、親切な本を先日見つけました。

泉裕文さん『ある日突然シーバス釣りが上手くなる』


「有益な本を見つけたら、著者のセミナーに申し込んでみる」の法則で検索したら、たまたま都内で無料セミナーがあり、行ってみました。ふだんは大阪/神戸を拠点に活動されており、このセミナーは年に1回開催だそうです。

ご挨拶して話をすると(人気なので順番まちです)気さく・低姿勢・親切回答。有益な実用書の著者の方の共通点です。虚勢を張る必要が一切ないからでしょう。
ご自分の仕事=「釣りの面白さ(正しい手法でやれば成果が上がる)を一人でも多くの人に知らせたい」というエネルギーを感じます。

ジャンケン大会で、「さっき挙手質問をしてくれた人、先に差し上げますね」とよぶんに賞品を頂き、「泉さん いい人だな」という感想を胸に抱いて後にしました。

◆覚えている人。(2015年11月)

その三ヶ月後、別の釣り具店でまたイベントをされてると知り、行ってみました。
ブースに入ると泉さんがいらっしゃったので、「以前、イベントに参加させて頂いた、、、」と名乗ろうとしたところ、「お~!久しぶりです、山下さん!」と、握手の手を差し出されました。

FBページのファン数千人(当時)。「ルアー釣り」という分野は(金融や自動車に比べて)「日本有数の産業」ではないけども、そのなかで泉さんはトップクラスの一人と言ってよい人です。私はというと、イベントで一度だけお会いした、イチ参加者の立ち位置。覚えていらっしゃることに驚かされます。
話していると「Facebookの読んだ本紹介、面白いですよね」と言われ、二度びっくり。
「名前を覚えておきましょう、相手に関する話題を出しましょう」とビジネスの教科書には書いてある。だけどなかなか出来ないものなんです。


一度会ったら覚えている泉さん

分野にかかわらない「一流の講師の条件」を定義するとしたら、
①提供する知識、技術に出し惜しみがないこと
②一般人がそれぞれのレベルから試行できること
③ステージ上と降りた後で姿勢が変わらないこと

だと考えていて(当時)、泉さんはこの条件をすべて満たします。特に三つめ。
聖人君子だ高潔な人格者だ、という話ではなくて「プロフェッショナルだ」ということです。威張らない。態度をくずさない。マイナス言葉を使わない。けっこう難しい。

事前に準備しておいた質問にも 相変わらずこころよく答えてくださった。一流のコーチに教わると、脳に刻まれる深さが違う。メモ魔、忘れないようにメモを取りました。


釣りの話でメモを取る。

※「釣りのイベントで事前質問を書き出して準備し、メモを取りながら聴く」人を自分以外で今のところ見ていない。もしかすると「日本で一人」の可能性が残っている。

◆成功には理由がある。(2016年10月)

約1年後、都内のイベントで、泉裕文さんにお会いし、サインをしてもらいました。

泉さん/コアマン社のコピー、『釣れるには理由(わけ)がある』。「超絶●●主義」とか「光速◆◆法」とかではなく「理由がある」という一語に、意思が込められている。科学であり技術である。再現性がある、というメッセージだと思います。

一貫して「気さく・謙虚・二枚目半」なのも好感が持てるところ。泉さんについて、少なくとも「横柄だ」「偉そうにしている」という類の評価は見聞きしません。(※有名な釣りプロの方でも、釣具店や釣り愛好家のあいだでネガティブな評判を聞くことは残念ながらあります)
また、「コアマン社のルアーに外れがない」ことは、ルアー師たちの一致する評価です。企画段階からリリースまで、かなり長い期間をかけて実証実験を繰り返しているからだと思居ます。泉さんのアンチはいても「ルアーが使えない」という評価はやはり見たことがありません。

泉さんはもちろん、起業家としての戦略で、気をつけて実践されているのだろうとは想像します。仕事とは「何を思っているか」ではなくて「何をやっているか」だ、の良い例だと思います。この「ものすごく考えて行動している人」も、好きになるビジネスパーソン/経営者の共通点です。

2015年のキャッチ率が34%(29/86)、今年のキャッチ率が現在54%(43/80)であること。昨年のアドバイス「まずは5割を目指す」をクリアしていることをご報告。
その道の先生に、成果や取り組み状況を報告するのは、釣りに限らず共通です。

著書にサインを頂いて、グッズを1点購入し、記念撮影をお願いし、満足して帰路に着きました。

魚が、大手メーカーや有名プロとこっそり協力して、「釣られてあげる」ことは無いから「釣れるかどうか」がすべて。
書籍で、数年~10年スパンで生き残っているものは「(ほぼ)ハズレなく良いものである」と言える。

◎シーバスの生息域をもう一度考えてみる
 潮がわかればすべてがわかる
◎シーバスはストラクチャーに付く
◎シーバスはシェードに付く
 台風という恵み
 レバーブレーキ付きリールの有効性
 PEラインの進化に付いていっているか
◎ノットがすぐに上手くなる
◎フックは命だ
 ランディングツールを甘くみるな
 沖堤防のメカニズム
 シャローは機動力だ
◎リトリーブスピードの基準
 ピックアップ時は要注意
◎ゆっくりとファイトする
 バラシが減ればよいこと尽くめ

『釣れるには理由(わけ)がある』より抜粋。◎は「特に 即 役に立った」項目。

泉裕文著『釣れるには理由(わけ)がある』より

おすすめ情報1
泉さんの著書は本気でおすすめ。これだけ読んで実行すればたぶん釣れます。

◆"泉流"フィッシングガイド。(2016年11月)

その1ヶ月後。「東京湾奥ルアー釣り紀行」に初めてのゲストをお迎えしました。前から試したかった、フィッシングガイドツアーです。

その日の潮まわり、時間帯を考えて待ち合わせ場所(スタート地点)を選定。水辺に出て、川面の様子を見てから、攻める順序(本日のご案内コース)を決めました。泉さん式の守破離の守、「基本は際(きわ)を攻める」です。

開始20分後。
山「この橋は実績あり、ホットスポットです。お客さまから先にどうぞ」
ゲ「いいんですか?では、お先に。行ってみます」

後ろから離れてみてると、ゲストの竿が大きく曲がっている。ヒットです。
近寄ると、そこは釣りのベテラン。魚が水中に何度か突っ込むのをいなしながら、持参の玉網を手に取りました。一度、二度と近寄せて、きっちりとランディング。私よりずっと上手い。

目測55cm、東京湾奥ではグッドサイズです。


隅田川の 浅草から下流の各橋の下の壁際は超ホットスポット。


ゲ「いやー、来ましたね」
山「お見事です!」
ゲ「本当にくるとは」
山「おめでとうございます!やったやった!」
ゲ「釣らせて頂いた感じです!」
山「ガイドとしても嬉しいです!ひと安心しました!」

釣り、特にルアーで、ホストが予告して、実際に来るのは(しかもその日の1ヶ所目)、なかなかない。少し大げさに言うと”かなりカッコいいこと”です(笑)。週末の道楽に通って、ポイントを覚え、釣り方を研究した甲斐がありました。「人に教えて、その通りに結果を出させること」は、自分が結果を出すよりも喜びが大きい

その後、「先に釣ったので今度はどうぞ」と、しばらく先に入らせてもらい、私も1匹キャッチ。二人そろってトロフィ獲得となりました。
釣った魚からフックを取り外していると、通りかかった人々に声をかけられます。(隅田川の浅草に近い場所。観光客、ウォーキング、ランナー多数)

人「すごい。ここ、こんなに大きな魚が釣れるんだね~!」
人「毎日散歩で通ってるけど、釣れてるの初めてみたわ~!」
山「ありがとうございます!僕たち じょ・う・ず なんですよ~!」

軽口もはずみます。
東京湾奥フィッシングガイドツアー、大成功 でした。


追記:この事件は象徴的なできごとだと思います。

①泉さんが書籍、動画、TV番組で教えていることには再現性がある。アマチュアが真似て、結果が出る。
だけでなく、
②泉さんから学んだ「釣り方と教え方」で人に教えて伝わる。アマチュアが「教える側」に変わっても再現性がある。
ことが証明できた。

釣りという分野が、ヤマ勘や偶然ではなく科学の世界であること。泉裕文さんが「釣りのプロ」にとどまらず、超一流の「先生」であることが再確認できた事件でした。

(後編へと続く)


惜しげもなく開示する、フラットに接する/ステージ上と降りたあとで態度が変わらない、人の悪口を言わない(興味がない)、精神論を問わない、は、分野を超えて、好きになる先生の共通点です。
後編では経営者としての泉さんの側面を書き出してみます。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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