発問作りの順番〜具体から抽象へ〜

生徒に対する発問を考えるときに悩むことが

①「この発問の仕方で、生徒は何を考えたり、調べたりすればよいかイメージできるだろうか」
ということと

②「この発問で、単元を通して考えさせたいことや、現代社会につながる課題を考えさせることにつながっているだろうか」

という2つがよくでてくる。

この発問にはそれぞれメリットとデメリットがある。
例えば明治維新の学習において
①の発問を
「明治維新では新たな国家づくりのために、どのような仕組みが作られ、改革が行われただろうか」
②の発問を
「明治維新では、どのような国づくりを目指し、
なぜ若い政治家が中心となっていったのだろう」
という発問にする。

①のメリットは、生徒自身がどのようなことを調べ、考えたりすればよいのかわかりやすいということ。

例えば「明治維新では新たな国家づくりのためにどうのような仕組みが作られ、改革が行われただろうか」

という発問では
「じゃあ、新しい仕組みと改革を調べればいいのか。じゃあ教科書からそれにのっていることを探そう。」

とイメージしやすいが、教科書の内容を写すことにとどまり、新たな政府がどのような国家作りを目指したのかまではいたらないことが多い。

具体的だが、広く浅い質問で終わりやすいのが①の発問になる。


②の発問「明治維新では、どのような国づくりを目指し、なぜ若い政治家が中心となっていったのだろう」を考えるためには

明治維新ではどのような仕組みや改革が行われていたかということと、さらに江戸時代の政治の仕方や律令国家の仕組みなどと比較して、今までの政治の仕方とは何が違うのかということを理解することが必要になる。

そこで学んだことをベースに考えていくと、
今までとは違う新たな国づくりを目指したために、現代と比べると若い政治家が中心になって、今までの慣習を壊し、新たな政治を創造しようとする姿勢が見えてくる。

しかし、いきなり②の発問をしてもどのようなことをすればよいのかイメージしにくい生徒もいる。

①と②のメリットを両方いかすために
①を授業の前半で行い、生徒たちのイメージをある程度作ったあと②の発問をすることで抽象的であった②の学習に対して何をすればよいかイメージが少しずつできるようになってくる。

このような形が基本になると生徒たちも、イメージをしやすくなってくる。

ただし最初に抽象的な発問をして全体の大まかなイメージを作ってから、具体的な発問を少しずつしていく授業構成もある。
ベースとするやり方はもっているが、授業者自身がその時間に生徒に身につけさせたい力はなにか。何を1番考えて欲しいのかを常に探究し、学ぶ姿勢は大事にしていきたい。

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