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読書感想【野鳥の本をまとめて書く】

身内に野鳥観察の好きな人がおり,最近野鳥の本が送られてきた.読んだので,まとめて感想記事にする.


送られてきた本は以下の三冊だ.

・トリノトリビア(監修:川上和人)
・身近な「鳥」の生きざま事典(著者:一日一種)
・見つけて楽しむ 身近な野鳥の観察ガイド(編著:梶々谷 博)

順番に感想を書く.



トリノトリビア

この本は野鳥の観察に関する記述はあまりなく,野鳥の生態に関する知識を学べる.身近にいる野鳥の行動にどういう理由があるのか,研究の知見を得られることは面白い.

印象に残った項目は,「ハトは本当は首を振っていない」と「スズメの消化は砂だのみ」だ.

ハトが首を動かす理由は簡単に言うと,視界の中の風景をあまり動かさないようにするためらしい.ハトは目が横についているため,人間の視点からでは分かりづらい行為だが,ハトはエサを見つけやすくするために必死なんだなと思った.

スズメは一番身近な鳥であるものの,砂を食べているとは思わなかった.種子をそのまま食べて消化していると認識していたが,それはさすがにキツイということだろう.



身近な「鳥」の生きざま事典

こちらの本は,トリノトリビアのように野鳥の雑学的なことも学べ,かつ,野鳥を観察するコツや双眼鏡の選び方といった,野鳥観察の知識も学べる本だ.

生態と観察の両方の知識を得たい人に,オススメできる本だと思う.

この本の良いところは,絵が上手で分かりやすいことだ.正直本の文章を読まずに,絵と絵の説明文を読むだけでも,ある程度理解できる.あまり読み込む時間がない人は助かるだろう.

印象に残ったところは,ウグイスの「ホケキョ」には二種類ある点だ.「あー鳴いてる」と聞き流すだけだったので,気づかなかった.

鳥の鳴き声は毎日聞くものの,あまり意識して聞くことは少なかった.注意深く聞いてみると,なにか新しい発見が見つかるかもしれない.


野鳥の観察に特化した(?),一日一種さんが書いた本に「今日からはじめる ばーどらいふ!」という本がある.

とりあえず野鳥の観察をしたいという方には,こちらの本も入門としてオススメだ.



見つけて楽しむ 身近な野鳥の観察ガイド

この本は前に紹介した二冊の本よりも,野鳥の観察に特化している.

野鳥の知見は「豆知識」という項目で少し書かれているくらいで,量は多くない.

この本の良いところは,野鳥の画像に写真が使われている点だろう.

絵よりも写真のほうが,実物の野鳥と比較しやすく,初心者の私(?)からすると評価は高い.

また本の後半には,日常で出会う可能性の高い野鳥の図鑑が収録されている.それぞれの野鳥ごとに分布と食性,生活史の記述があり,雄,雌と若い個体の写真も掲載されている.若い個体の写真があるのは,結構助かる.

野鳥の観察をするようになったら,重宝する本だと思う.


私は現在,野鳥の観察をする人間ではないので,野鳥の観察を重視しているこの本から得られるものは,あまりなかった.

得られたものは,「尾腺分泌物に撥水の効果があるわけではない」ということくらい.鳥の羽毛は元々微細な構造をしているため,尾腺分泌物がない場合でも撥水性は高いようだ.そのため,撥水性を高めるという理由よりも,抗菌作用といった別の意義があると考えられているらしい.


ただ考えてみると,これは不思議な感じがする.

「トリノトリビア」のウのページによると,ウの羽毛は撥水性が低いと書かれている.また,ウの尾腺はあまり発達していないという記述もある.

もし「尾腺分泌物に撥水の効果がある」と仮定するなら,ウの尾腺があまり発達していないことは簡単に理解できる(ウに撥水性はなくても良いため).

しかし「尾腺分泌物に撥水の効果があるわけではない」とすると,ウの尾腺があまり発達していないのはなぜなのか,という話になる(尾腺が発達しても,悪い影響はないはず).

まだ明確な正解が分かっていないということだろうか.



以上.

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