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読書感想【正しい核戦略とは何か他】

今回は読書感想メモ.

これまで軍事に関する本は,あまり読んだことがなかった.しかし,インターネットの記事で学習するよりも,専門書を読んで知識をつけたいと思い,前に「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」という本を読んだ.

この本も大変勉強になったのでオススメだ.だがもう少し踏み込み,核戦略に関する本も読んでみたくなった.核戦略に関して触れる機会も少なく,これを機にある程度知っておいたほうが良いだろうと思った.

購入した本は「正しい核戦略とは何か(ブラッド・ロバーツ)」,「核の忘却の終わり(秋山信将・高橋杉雄)」の2冊だ.


読んでみた感想は,かなり勉強になり面白いと感じた.軍事的なことは,あまり深く考えたことがなかったからだろう.頭でなんとなく理解していることを,より深く理解できた…気がする.

安定・不安定の逆説,損害限定といった軍事的用語の意味を知れたことも,非常に助かった.専門的なことはインターネットで調べても,分からないことが多い.

また,「抑止が破られたときに行う武力行使が,過度に残忍なものとみなされないようにする」というのは重要な視点である.自分の頭から抜け落ちていた点で,なるほどと思った.国際社会からどう見られるのか,ここも意識していかなければならない.


本を読んで一番印象に残った文は,以下の文である.

核兵器という重大な問題を扱うにあたり,誤った前提から誤った議論を進め,取り返しのつかない結果を招くことは絶対に避けなければならない.

「正しい核戦略とは何か(ブラッド・ロバーツ)」p.371

核兵器の恐ろしさは誰もが知っていると思う.日本人なら尚更だ.難しい課題だからといって,安直な考えに走ってはいけない.遠回りでも地道に議論をしていくしかないのだ.




感想を書いておいて申し訳ないものの,まだ飲み込めない部分がある.追加で本を読んでみたい.「核戦略と核軍備管理ー日本の非核政策の課題(岩田 修一郎)」が候補になっている.ただ,入手が困難である点が悔やまれる.

今回読んだ本のどちらかを選べと言われたら,「正しい核戦略とは何か(ブラッド・ロバーツ)」をオススメする.原本は約8年前に出版されているものの,新終章と監訳者解説があり,今読んでも問題ないように思う.


以上

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