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読書感想【縄文vs.弥生】

購入したときはあまり興味がなかったせいか サラッと読んで本棚に置いていた.ただ『文明と戦争(アザー・ガット)』で人類の歴史を少し学んだおかげか 興味が出てきたのでしっかりと読んでみた.


縄文や弥生時代のことは学校の授業で詳しく学ばなかったので 本書から新しく知ったことは多かった.

縄文時代の動物形土製品にイノシシが多かったものの 弥生時代の銅鐸絵画と土器絵画ではイノシシが減りシカが一番多くなっている.農業の始まりとともにシカを特別視していくのは興味深い.

一番印象に残ったのは ひと口に弥生文化といっても多様な文化が存在していたことだ.

著者は本書の中で「縄文系弥生文化」と「大陸系弥生文化」という概念を用いて説明している.農耕システムに縄文系の要素が強く出ている文化を「縄文系弥生文化」,大陸に由来するシステムが多い文化を「大陸系弥生文化」としているようだ.

水田稲作という新しい文化に対して容易に受け入れ新しい社会へ転換したのか,あるいはすべてを受け入れることに難色を示し伝統的な文化を復活・維持もする保守的な動きをしたのか.

現在でいう保守と革新のような動きが縄文・弥生という大昔からあったと思うと 今生きている人間と大きく変わらないように見えるし 親近感が湧く.



以上.

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