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芸術史講義(日本)2レポート2023年度

「風神雷神図屏風と冨嶽三十六景神奈川沖浪裏~日本を代表する名画に迫る~」
[第6章:6-1俵屋宗達《風神雷神図屏風》第12章:12-1葛飾北斎《冨嶽三十六景神奈川沖浪裏》]

1.「風神雷神図屏風」について(第6章:6-1)
俵屋宗達が活動した寛永年間は古典文化の復興の気運の高まりとともに宮廷貴族や上流町衆による華やかな文化に彩られた時代である。宗達は単なる一介の町絵師にとどまらず、絢爛な彩色のもと大胆かつ平明な構図を特徴に、のちの琳派に引き継がれる作風の礎を確立した画家として知られている。二曲一双の金箔の屏風に表された本作は、躍動感あふれるポーズが緊迫感のある構図で描写され、白い風袋を持ち天空を走る風神と太鼓を背負い迅雷を呼ぶ雷神が屏風の中からいまにも飛び出してきそうな臨場感を演出している。表情はどこかユーモラスな顔付きで表現されており、衣は厚く塗られているのが特徴的である。

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