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今年と、死の淵から見えたもの。

1月17日で33歳になりました。32歳の一年は、世間に自分が飲み込まれそうになって苦しんだり、会社を立ち上げたり、脳腫瘍が見つかって死にそうになったりしながらと、昇降が激しい一年でした。本を150冊ほど読んで、noteを150本ほど書いて、毎日運動して体重が70kg→60kgまで下がったなど、習慣を自分で作れるようになった年だったのはおまけ。

1) 見栄に引っ張られて苦しんだOYO LIFEの最後
OYO LIFEのサービスは自分たちで考えて作った自負はあるが、もはや2020の最初のタイミングでは経営決定権がなかった。

どんなにユーザや外野から野次られても、受け止める責任者は自分だったが、対応はさせてもらえないという苦しい状況。そのくせ見栄もあってメディア等で自分が出て行っては耳障りのいいことを話そうとしてしまうから、理想はあっても現実を自分でコントロールできないギャップに苦しんでしまった。やっと見つけた起死回生案で、自費出張で中国へ飛んで開発部隊を確保して再起を図ろうとするも、コロナで中国オフィスの1/3がリストラになり、何もできなくなってしまった。

[気づき]
→"世間の反響が早いから短期的な見栄を張りたくなるけど、他人を気にせずに、もう少し長期的で本質的なものに集中するべきである。"
→"意思決定は他人ではなく自分でできなければならない"

2) スタートトゥデイとARIGATOBANK
twitterでスタートトゥデイの第二創業の募集をしているのを見て応募して入社。スタートトゥデイは現在はスタートアップスタジオ的な立ち位置で、ファンドをやったり内製事業をしたりしているが、私は現在内製事業を扱う事業開発本部の長をしている。

やっぱり自分で責任を持って事業推進したくて、スタートトゥデイに入ってからは前澤さんに事業提案を続けてきたが、ようやく叶ったのがARIGATOBANK。この会社ではお金のあり方を再定義できたらって思っている。

資本主義は、コストカットのために労働生産性を上げようとする。労働生産性が上がれば、より少ない人数で今までと同じ量の生産物を作ることができる。その場合、経済規模が同じままなら、失業者が生まれてしまう。だが、資本主義のもとでは失業者たちは生活していくことができないし、失業率が高いことを、政治家たちは嫌う。そのため、雇用を守るために、絶えず、経済規模を拡張していくよう強い圧力がかかる。こうして、生産性を上げると、経済規模を拡大せざるを得なくなる。(引用元:人新世の資本論)

もともと個人的に、現代の成長を前提としたビジネスのあり方にとても違和感を持っている。日本は人口も減るのに。そのため、今年は経済や貨幣の歴史や仕組みについてひたすら勉強した。良い社会が作れればいいなと思ってる。

[気づき]
→弱者からお金を巻き上げる前提で出来上がっている現在のお金の流れを変えられないか。そうしたらお金の価値が変わって、本来人が求める世界になるのではないか。という希望にかけてみたい。

3)悪性脳腫瘍が見つかる
2020年12月25日、自分の脳に腫瘍が発見された。中学校の時にやんちゃして頭蓋骨右後部を骨折をしたことがあり、たまに季節の変わり目で痛むからそろそろ見ておこうと思ってMRIをとったら全く別のところ(右前頭葉)に腫瘍があった。(この経験から、親しい人には健康診断で脳ドッグも入れることをオススメしてます。)

医者に脳腫瘍があります。グリオーマというやつですと言われた時に、"ドラクエの技みたいだな"って思いながら、「それってどういうことですか?」と聞いたら、医師に「まぁ放っておいても10年くらいいきてる人もいるよ」と言われ、”あ、結構死ぬ可能性高いんだ”って思ったので、「最短のところで手術してください」とお願いした。

「まぁ、手術後に30年とかいきている人もいますし」と安心させようと医師が言った言葉も、"寿命60ちょっとで終わりにしたくないなぁ、今の自分の年齢に娘がなった時には死んでる事になるじゃんか"と、なかなか受け入れられるものではなかったのを覚えている。

この三つが揃うと相当怖いことがわかった。

1)恐れの対象が悪いものであること、2)それが起こる無視できない可能性があること、3)だがそれがお起こりうるかどうか確かでないこと。
(引用元:DEATH)

自分の人生が終わるかもしれないと思った時に何を思うかといえば、"やらなかった事への後悔"と"本当に大事な人への感謝"だった。手術室に入って全身麻酔がかかる前などは、自分がやりたいのにできてないことがいくつか思い浮かんでは消えていった。麻酔で意識が飛ぶ中、"無事に戻ってきたらやりたいことリストを全て潰そう"・"大事な人に対してきちんと向き合う人生にしよう"と思って記憶が飛んだ。

快楽主義では、人生の質は快感を全て足し合わせ、そこから痛みを全て差し引いて判断する。(引用元:DEATH)

というが、自分としては、将来の足し算がわからないから、今やりたいことリストに入っているものが将来の足し算の要因であり、それを成し遂げてないことに後悔するんだなぁと思った。特にTRYPEAKSの方ではできてないことが多かった。

結果25日に発見、28日に精密検査、3日に入院、4日に手術、6日に退院した。結果も腫瘍はグレード2、右前頭葉外側で切開しやすい部分、まだ転移しておらず周辺部を含めた全摘出が可能の箇所、言語野もなしだったため、今は日常生活に戻ったわけだけど、手術による合併症や後遺症のリスクは数%あったため、かなり自分としても死に近づいて死生観がはっきりした。

[気づき]
→"いつ死ぬかわからないので、やりたいことはできるだけ早く実行し、徹底的にやる。毎日いつもよりもう一歩だけ前に足を踏み出す。"

▼まとめ
2020年の色々な経験を通じてわかってきたことは、人は幸せと不幸せの表裏一体の3つのオセロがあること。

1) 白(幸せ):愛 ↪︎ 黒(不幸):恐怖
2) 白(幸せ):自由 ↪︎ 黒(不幸):孤独
3) 白(幸せ):信頼 ↪︎ 黒(不幸):欲

そして、このそれぞれの白を黒に変えるのは"他人か金"かだった。死を意識した時にはこの"他人と金"の価値が著しく下がるので、本当の幸せが見つかりやすいのだと思った。普段はふとした時にどこかが黒になっていることがあるので、気をつけなければ。

となると、やりたいことを出来るだけ前倒しでやりながらも、どうやって他人と金を自分のコアと分離させて扱えるか。これが2021年のテーマになりそう。

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