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休校中のクレームが0件になった~何だかんだで管理職に感謝した話~

僕は私立高校で英語の教員をしています。結構楽しく学校生活をおくってきました。

さて、このたびめでたく学校が再開することになりました。「やったーー」という小学生のような感想ですが本当に嬉しいです。


3~4月の間、ほとんど何もしない学校。僕はとにかく焦っていた。


3~5月までの休校期間。生徒に会わず、在宅勤務という、今まで経験したことの無いような生活をしました。

3~4月の間はとにかくストレスが強かったです。それは学校が休校状態でほとんど何も生徒に出来なかったからです。

もともとICT関係に関してはほとんど経験値の無い学校だったので授業配信やオンラインホームルームなど出来ないことは仕方が無かったかもしれません。

でも、あまりにも何もしていなかったので、「このままだと保護者から大量にクレームが来る」とか「N高のような学校に生徒を取られてしまう」などとにかく焦っていました。


やべー、とにかく何かしないとと管理職に企画書を提出→そしてICT担当教員へ


そんな中、意を決して『僕らが今出来る事』という内容の資料を作成して管理職に送りました。それを読んだ管理職が僕を学校のICT担当に任命してくれました。

4月~5月にかけて僕が一番意識したのは、「学校は何もしていないですよね。返金してください。」というクレームを減らすことです。

「教師としてどうなんだ?」と思われる方もいるかもしれませんが、学校のブランドコントロールを主眼において対策を考えました。

でも立ちはだかる課題


ただ、課題も大きかったんです。当時の僕たちの現状は以下のような感じ

①在宅勤務で教員同士がほとんど連絡を取りにくい状況
オンライン授業やホームルームを成立させるための教員用デバイスが無い
③ICTに精通している教員の数が少ない

①在宅勤務で教員同士がほとんど連絡を取りにくい状況

学校を大きく変えていきたくても教員同士の連絡手段が確立されないとどううにもなりません。LINEのグループを作ることも考えたのですが、プライベートと仕事を切り離したい人からするとものすごくストレスがかかるそうです。そこでSlackを導入しました。

正直、Slackを使いこなすことは難しかったらしく、そこまで浸透した感じはありませんでしたが、「Slackというウェブサービスがある」ということを全教員が共有できたことは今後のICT化を考える上で良かったことだと思います。

オンライン授業やホームルームを成立させるための教員用デバイスが無い

本校では教員に対して一人一台iPadを支給するなどの施策を取ってきませんでした。そのため、在宅勤務においてオンラインホームルームやオンライン授業をするにあたり、個人のデバイスや通信費を使ってもらう必要がありました。

個人の資産を仕事で使うことに対する教職員の反発もあると思ったので、ダメ元で管理職に「在宅勤務費として月額3000円以上を支給してもらえませんか?」とお願いしたところ、こちらの要求を超えて月額5000円を支給してくれることになりました。

これにより、教員の強い反発も無くなり、業務のオンライン化が進みました。管理職に感謝です。

③ICTに精通している教員の数が少ない→あれ?以外とみんな使える

当初は上記のように思ったのですが、アンケートをとった結果、個人でiPadなどのタブレットを持った教員は42%もいました。本校の教員のICT基礎力は、思ったよりも高いということがわかりました。

ただ、そうは言ってもZoomの使い方に精通している教員は少なかったので以下のような対策を考えました。

・Zoomの基本的な使い方に関しては講習会を行う
・Zoomなどで授業する教員の数をなるべく絞り込む

Zoomの基本的な使い方に関しては講習会を行う

4月の後半に出勤日があったので、その日にまとめてZoomの講習会を行いました。この講習会では本当に基本的な機能だけ伝えました。

僕らの学校ではオンラインホームルームを毎日行っていました。これは各担任にやってもらう必要があります。ホームルームで使う機能は基本的なものが多いのでこの講習会でほとんど伝える事が出来ました。

Zoomなどで授業する教員の数をなるべく絞り込む

ただ、オンライン授業にすぐに対応できる教員の数はそこまで多くないと僕は思ったので、Zoom授業を行う教員数をなるべく絞り込むことにしました。

そのため、Zoomの有料アカウントを使って、500人同時に授業が出来る体制を整えました。この予算も管理職が捻出してくれました。

結果的にですが、この方向性は正しかったと思います。教員一人当たりの負担を減らすことが出来ました。

授業をしない教員は共同ホストとして授業に参加し、生徒の質問に答えたり、通信系のトラブルなどに対応するなどしていました。


そんなこんなで5月のクレームが0件に


いろいろ頑張った甲斐もあり、5月のクレーム件数は0件だったようです。管理職が喜んでいました。

今回の主目的である「学校のブランドを維持する」は何とか達成できたかと思います。

ただ、生徒の満足度などを考えるともう少しいろいろ出来たかもしれません。でも最低限はクリアすることが出来ました。


専門用語がバシバシ飛び交う職場に


3月の職員会議でのことです。とある教員が会議中に「ハイパーリンクが・・・」と発言した後に、教員室がざわざわしたんです。

「ハイパーリンクって何だ?????」って

その時に、僕はすごい焦りを感じたんです。同僚の先生たちは「ハイパーリンク」という言葉を知らないのかと・・・・

もちろん、人によって興味のある分野は違うので、知っているから偉いという訳ではないんです。

でも、「ああ、他の先生方はこの分野に関する興味関心がほとんどないんだな・・・」と少し暗い気持ちになったんですね。

それが今では、教員室内で、「Google Formの結果がSpreadSheetで一覧にして見えるよ」とか「録画した動画をGoogle Drive上に置いておいたから、URLをZoomのチャットに貼って生徒に渡してください」なんて会話があちこちで聞かれるようになりました。

何だか信じられない気分です。とりあえずここまで持ってくることができました。

6月1日から本校もついに再開です。

これからはオンラインとオフラインが混在する学校生活になります。ここで得られた知見を今後も活かしていけるかどうか?その制度設計に勤しんでいきたいと思います。

頑張るぞ!!!!




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