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ただただ担任がキットカットを探す話~ドン・キホーテと母のアドバイス~

僕は私立高校で教員をしています。結構楽しく教員生活をしています。

いつもは、「学校の未来はこうなるのかな」とか、「教員と動画は今後こんな関係性になるだろう」的な文章を書くことが多いです。

しかしながら、今日はクラスのイベントのために、ただただキットカットを探しまくったという文章を書きます。

僕は自分で企画したクラスイベントをすることがあります。それは「クラスの生徒を楽しませたい」という思いもありますが、イベントを運営するという経験値が欲しいんです。

教員になってからずっと「クラスイベントは生徒のものだから担任は口出ししないね」と言ってきました。

ただ、いつからか、「もしかしたら、自分が上手にクラスイベントを運営出来ない言い訳かもしれない・・・」と罪悪感を持つようになったんですね。

実際にイベント運営のスキルを持った教員が「イベントはみんなのものだろ」と言った方が説得力ありそうだな、と思い、独自に企画したクラスイベントを自分主導でやるようになりました。

僕がその時立てた企画は、「リベンジ合唱コン」です。そうです。キングコング西野さんのパクリ企画です笑。

このイベントは、僕のクラスが合唱コンクールで思ったような結果が出なかったので考えました。

イベントの最後に、僕と副担任の先生の写真が付いたキットカットを生徒に渡すことになったので、そのキットカットを探すというだけの話です。

先に謝っておきます。この文章に学び的なモノはいっさいありません。ただ、自分で企画したクラスイベントを成功させたい、30代の私立教員の奮闘ぶりを知りたい方だけお読みください。

それではどうぞ。

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平成〇〇年2月11日の祝日、とある場所で30代後半の男は探していた。探し求めていた。必死に求めていた。

 彼は何をそんなに一生懸命に探していたのか?

 40歳を目前にして「どのように生きるべきか?」と生き様を探し求めている?いやいや違う。それとも、今後の人生を共に寄り添ってくれる伴侶?いや、それも違う。

 30歳後半の男が祝日に血眼になって探していたもの。それはこいつだ!!!

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そうキットカット!!リベンジ合唱コン企画で生徒に配布するキットカット。しかもメッセージを書きたいので箱状のキットカットが欲しい。

 正直なめてた。「コンビニとかで1店舗あたり4つくらいはあるだろうから、10カ所くらい回ったら(ちなみにクラスの人数は38名)全部揃えるだろう」とか簡単に考えていた。

 コンビニに行く。「あれ?キットカットが袋の中にたくさん入っているやつはある。あと、太い一本の棒状のやつはある。でも箱のやつがない」と諦めてコンビニを出る。コンビニにはこういうやつばっか。

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箱状のキットカットがどこにも売ってない。

 コンビニ1軒目はそんな感じ。まだ焦りはない。2軒目に入る。「あれ?キットカットが袋の中に…」という事がまた続く。3軒目も、4軒目もそれが続く。

 次第に焦り出す。「あれ?俺はもうキットカットの箱にもう二度と会えないのではないか」とか思う。確実にこの時点で病みはじめていた気がする。

 「コンビニがダメなら、スーパー」と思い、『いなげや』に駆け込む。今はバレンタインデー直前。スーパーにはチョコが大量に並んでいる。「いける!!!!」と確信する。探す。

でも、こんなにチョコがたくさんある中で『キットカット』の箱タイプが見つからない。「スーパーでも見つからないのか・・・・」と愕然とする。

 また、コンビニを回り始めた。でも見つからない。キットカットの赤いパッケージを探す。そしたら赤いパッケージのチョコが見つかる。「よし」と喜ぶ。でもそれは大抵『キットカット』ではなく、『ダース』だった。完全なとばっちりだが、少し『ダース』の事が嫌いになる。

そして、街中で郵便ポストを見つけた時に、それを凝視した自分がいて、「ヤバいかなり病んでいる」とか思う。

 そこで『お菓子のまちおか』に行ってみる。祝日という事もあり、信じられないくらいに混んでいる。レジに人が15人くらい並んでいる。「お菓子屋さんて、こんなに人気があるのか・・・」と何だか全然違うところに驚く。

 藁にもすがる思いで『お菓子のまちおか』に来たわけだ。絶対に探したい。探す。なかなか見つからない。「おい、ここもダメなのか」と諦めかけた瞬間、赤いパッケージが見つかった。「これがダースでも怒らない。ダースでも怒らない」とか言いながら、そちらを見てみる。

そしたらあった。キットカットの箱タイプだ。素晴らしい。嬉しい。しかも7セットもある。普段、何も思わない存在であったキットカットの箱タイプが自分の中でこんなに大きな存在になるとは!!!

 でもまだ7セット。先は長い。次に『ドンキホーテ』に行ってみる。「おお、お菓子が大量に売っている」テンションが上がる。「これだったら、さすがにあるだろ」とか思う。

 ただ、店内が広すぎる。見つからない。だんだん冒険をしている気分になる。こんなにもしてキットカットを手に入れる必要も無い気がするけど、教師としての責任感から探し出さなければいけない、とか思ってしまう。

そう言えば、物語のドンキホーテも、ありもしない騎士道精神を振りかざす男の話。その男の名前が冠されている店の中で、ありもしない(?)教員道精神を振りかざしキットカットを探している。「ドンキホーテ、その気持ちわかるぜ」とか無駄に言ってみた。気分は完全にドンキホーテである。

 ドンキホーテ内を探索して5分後。キットカットの箱タイプをゲット。素晴らしい。しかも「箱タイプを箱買い」した。嬉しい。でもまだ数が足りない。

 「どこでなら手に入るのか」を考えながら自宅近くに戻る。

 もちろん、アマゾンとかでネットで注文するのが一番簡単なのはわかるが、ここは労力をかけたかった。労力をかけた分、「思い」が乗る気がするからだ。ただ、今思えば、キットカットを集めるのが大変だった事を生徒は知る由も無いので、自分で集めたことはあまり意味ないような気もする。

 「そう言えば、困った時は100円ショップに行け」ってお母さんが言ってたな。とか思い出して、ダメ元でDAISOに行ってみる。そしたら大量のキットカットを見つける。「すげー、DAISOすげー」と思うと同時に、「お母さん、ありがとう」とか思う。よし、あと少しで全部そろう。

 そしてその時は訪れた。しかも、近くのコンビニでだ。もう絶対にここでは見つからないと思っていたコンビニで、キットカットを見つけることが出来るとは!!!!幸せは割りと身近にあるものだ。

 とにかく全員分のキットカットをゲットすることが出来た。そしてそのキットカットに貼るステッカーも作ることが出来た。その分の準備は整った。

 これだけ長くキットカットを探して出た結論は2つ。

 ①  お母さんのアドバイスは役に立つ
 ②  幸せは割と身近にある

 ドンキホーテが探していたような騎士道精神を見つけることは出来なかったが、ひどく道徳的な事に気づいた一日だった気がする。

 明日の本番頑張ってみよう。やばい、まだ台本書いていない・・・・・・

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大量のキットカットたち。今からメッセージを記入しないと!!!!

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ここまで読んでくれた方々、本当にすいません。本当にキットカットをただただ探しただけの話でした。

いつもありがとうございます。






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