野球が「苦手」の考え。

野球を『する』ことについて

野球、特にプロ野球を観るのが好きだ。

（前回と同じ書き出しになっているが、内容は異なるので安心して読み進めてもらえるとありがたい）

　野球に関する話を誰かとしたり（多少の知識はあるし野球関連のニュースはよく見る）、身体を動かすのも好きなので、よく「野球やってたんですか？」と聞かれることがあるのだが。
　すずなすずしろは人生を通じて、競技として野球を本格的に経験したことは無い。
　無いのである。

　少年期に公園でなんとなくやっていたようなものだったり、バッティングセンターに通ったりといった遊びや趣味的な野球の経験はあるのだが、いざ競技的に野球をするとなると、実はちょっと『苦手』意識がある。

野球で『苦手』なこと

ボールを『投げる』ことが苦手である。

　ある程度の割合で、人は人生の中で誰かとキャッチボールをする機会というものがあるのではと個人的には思っているのだが。
　自分は過去のどの機会でもボールを上手く投げることが出来ず、キャッチボールのはずが一方的な千本ノックに終わってしまった、ということが殆どだった。そのくらい、ボールを相手目掛けて投げるということが苦手なのである。
（今思い返してみて、相手をしてくれていた全ての人に対して申し訳ない気持ちが溢れだしてきた。ごめん。）

　特に、ボールを上から投げること（オーバースロー）が苦手である。

　だからといってサイドスローやアンダースローで抜群に良い球を投げられるのかというと、決してそういうわけでもない。試してみたこともあるが、多分に漏れず大抵明後日の方向へ飛んで行ってしまう。
　一番マトモに相手に届けられるのは下投げで、頑張れば多少スピードも出せると自負しているが、調子に乗ってウィンドミルなんかをし始めると途端にホームランボールに変貌する。

　何が原因なのか、自分ではよく分かっていない。幼少期の経験不足なのか、身体機能の問題なのか、はてまた他に要因があるのか。
　ただこの場で解決策について考える予定は無いし、例え解決できたとしても今後それを実践する場は恐らく無いに等しいだろう。
　ただただ、ボールを『投げる』ことへの苦手意識が今後もそこにあり続けるだけである。

　念のため書いておくが、『投げる』のが苦手なのであって、ボールを『打つ』ことや『捕る』ことは好きなので、野球をすることそのものが苦手というわけではない。

バッティングセンターでボールを打つのは好きだし、キャッチボールで相手の投げたボールを捕るのも楽しい。多少コースが逸れてもある程度はキャッチ出来ると思う。

　が、送球あるいは返球もとなると先に書いたことと同じ問題が発生するので、恐らくこれからもフィールド上で守備をする機会は無いと思う。万が一誰かにキャッチボールに誘われたとしても、千本ノックになる可能性が高いことを事前に伝えてから受諾することになるだろう。

『苦手』とは言っているが

　投げることだって、それ自体は好きなのだ。プロの流れるような惚れ惚れするフォームを見て、それをマネすることもあるし、キャッチボールをしていても数十球のうち一回くらいは狙ったところに飛んでくれて大いに喜ぶことだってある。
　『下手の横好き』とはよく言ったものだ。『好きこそ物の上手なれ』という言葉を作った人とラップバトルでもしてみてほしい。

苦手でもいいじゃないか

　話が逸れそうなので早いうちに本筋に戻るが、野球を『する』ことが苦手であっても、それを好きであってはいけないということはない。

　出来る出来ないと好き嫌いは別枠である。

　例えばギターが弾けない人に憧れのギタリストがいたって良いし、文章を書いたことが無くても好きな物語があって良い。さらに言えば、野球を好きな人は全員野球が出来なければならないのだとしたら、ここまでメジャーな競技にはなっていなかったかもしれない。近年注目を集めているパラスポーツやゆるスポーツの方が、よっぽど国民的スポーツになる可能性を秘めていることになる。
（勿論、パラスポーツやゆるスポーツがこれから本当にそうなってゆく可能性は大いにあると思っていることはここに記しておく）

　ついでに言うと得意不得意もまた別枠である。

　先にも書いたバッティングセンターに関しても、ヒット性の当たりが出ることはそんなに多くないし、キャッチボールで相手が投げたボールを捕れずに後逸してしまうことだって何度もある。

　でも好きなのだ。そんなに上手じゃなくても、することに苦手意識があっても、好きなものは好きなのである。
　他人にそれを叱責したり、否定する権利は無い。稀にそういうことを生業としているような人を見かけることはあるが、相手にしないに限る。

つまりは

すずなすずしろは野球が得意ではない。
ボールを投げることに関しては苦手意識すらある。
でも野球が好きである。観るのもやるのも好きだ。
それに関しては自信がある。
そういうことだ。

　とりあえず、どこに飛んでくるかわからないボールで守備練習をしたいという人がいれば、是非ご一報頂きたい。