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ヴィデオゲームアートの展覧会に行ってきました

展覧会『イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我』

ヴィデオゲームのありかたや、それらが創り出す文化を検証することでそこからどのようなことが読みとれるのかをインディゲーム/ゲーム・アートの2つの動向から見てみよう!という展示に行ってきました。

あまり類を見ない内容の展示であること、それから「ゲームを既存の表現以外で表すことは出来ないか」という考えのヒントを探す目的もあり、かなりわくわくしながら見に行きました。

で、実際見てどうだったの?

結果としてゲームについての特徴を分解して述べてくれている動画が1番ヒントを与えてくれました。(撮影禁止だったのでここには画像は載せられませんでした)

例えば最近のゲームは見た目のリアリティがありますが、現実世界では当たり前の両面から見ることが出来るという特徴を失っています。

ゲームでは地面や人物、水面にカメラが埋まるとテクスチャが透けて反対側からは完全に透明に見えるようになります。

また昔はハード的な制限があった、ということもありますが初期のゲームでは水面は青と緑の点や棒と点で表されます。

これもゲームならではの表現方法だと気づかされました。


ドットではなく、棒と点。

両面から見える特徴が無くなる。


今回行った展示ではまだこう表現したい!というアイデアは生まれておりませんが面白い再発見でありました。特に両面から見える特徴を失っているというのは、文字として書き出して初めて頭で認識しました。

これを糧にしつつまた新たな知識吸収の旅に出たいと思います。

ヴィデオ・ゲーム・アートについて

展示に行くことの醍醐味の1つ、目的以外の発見です。ヴィデオ・ゲーム・アートというものを初めて見る機会になりました。

COLL.EO 《イタリアからの絵葉書》
ゲーム内のプレイ画面をポストカードにしたもの。場所はイタリアをモチーフに構成された架空の場所。少し離れて見ると現実の景色を切り取ったポストカードに見えた。

イップ・ユック=ユー《プラスチック・ガーデン》
CoD BOのゲーム内の人物を消してマネキンを配置したマップを映している映像作品。人の姿だけ消え去った街はこの風景が作られたものであることを強く意識させる。

ジョセフ・デラップ《dead-in-iraq》
アメリカ陸軍が企画・開発した「America's Army」というオンラインゲームを用いたパフォーマンス作品。ゲーム内で撃ち殺された兵士の映像と左上にイラク戦争で実際に亡くなった兵士の情報がチャットに淡々と入力される。
見る人へのメッセージがわかりやすかった。亡くなった兵士とゲームは無関係でも、知りもしない兵士の最期の情景のように感じられて心に来るものがあった。

ゲームを使ったアートって著作権的に大丈夫なの?みたいな気持ちはあるのですが、どうなんでしょう。どこまでがセーフとグレーでどこからアウトなのか調べたいです。

今回見た作品は既存のゲームを意図的に破壊、もしくは一部分を切り取って(放置されたマリオが眠り続ける動画など)使用しておりました。どれも異様な雰囲気を出しており、見ると引き込まれる魅力がありました。

ゴーストタウンと化した街、スヤスヤ眠るマリオ、コントローラーがあるのに動かせそうで動かないバグを起こした画面、車が延々と回り続けてタイヤ痕をグルグルと残し続ける映像は今でも思い出せます。

まだまだ作品について掘り下げられていないのですが上記のアーティストとミルトス・マネタスの作品も気になったのでこれから深堀りできればと思います。


余談ですが各作品のキャプションも黒一面で薄暗い部屋の中ピンポイントで照らされており、紙とは思えないほど綺麗にキャプションだけが浮かび上がっていました。

自分の知らない世界にまた触れることができ、楽しかったです。

今後ヴィデオゲームアートの展示があればまた見に行きたいと思います。


以下気になった出展者HP

ミルトス・マネタス《スーパーマリオ・スリーピング》http://timeline.manetas.com/


COLL.EO 《イタリアからの絵葉書》
http://colleo.org/

イップ・ユック=ユー《プラスチック・ガーデン》
https://www.ipyukyiu.com/

ジョセフ・デラップ《dead-in-iraq》
http://www.delappe.net/







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