見出し画像

群馬 温泉 一致する情報は見つかりませんでした

スーパーローカルな温泉に行きました。

群馬県吾妻郡高山村は何とも説明のしにくい場所に位置していて、そして小さい。このいぶきの湯も、温泉にしてはめちゃくちゃ小さい。麻布や神楽坂なんかの高級住宅街の中にはこれより広い浴室があるんじゃないか。
村内にはゴルフ場やキャンプ場があるので、その帰りに寄る人もいると思う。ローカルだからといって、入館の際に「地元民以外の人間が来た」ような反応はされなかった。

いざ入ってみたら、思ってた500倍くらいローカルでびびってしまった。
自分以外みーんな知り合いみたいな距離感で喋っている中に丸腰で入っていくの、だいぶ勇気がいる。しれっとした顔して入場して、初見ではないかのように洗い場につく。ここまではオッケー。
こういうところだと初対面でも平気で話しかけてくる人が時々いて、私はコミュ障なのでそれがあまり得意ではない。
私は人から見ると東南アジアあたりを感じる顔立ちらしく、「どこの国の人?」と聞かれたことが人生で数回ある。ちゃんとした日本人です。
この近辺では農業が盛んで外国人実習生を雇っているところも多く、その辺をベトナム人やタイ人がよく歩いてる。
黙っていればワンチャン日本語が通じない可能性を感じて放っておいてくれないかと、笑顔と無表情の中間ぐらいのスン…とした表情で誤魔化してみる。うまいこと誰にも話しかけられないまま洗い場を離れて、お湯に浸かって一息、
「すみません、ここ使ってもいいですか」
しっかり日本語で話しかけられてしまった。会話は嫌いだけど、愛想のない人間になりたいわけではないので、「あっはいどうぞ……」みたいな陰キャ丸出しのお返事をしてしまった。
何か勝手に気まずい……。

この後、脱衣所で地元民であろう女性に通りすがりに「おやすみなさーい」と言われて、ちょっと残っていた思惑が全部崩れ去った。
実はこれ、ローカル温泉あるある。
入るときには「こんばんは」。
出るときには「おやすみなさい」。
知らなかったら、話しかけられたのに無視する最悪な奴になってしまうところだった。
「…っ、おやすみなさーい」って、ちょっと間の空いた返事をしておいた。

もっと奇抜な髪色だったりしたら良かったかなと思ったけど、そんなこと気にして遠巻きにするような方々ではない。それがローカル。
ちなみにお湯はすごい熱かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?