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あたたかい箱

電子レンジが時間を計れるだけの箱になってしまいました。
なかなか温まらないと思っていたら……。

10年近く経っているし、仕方ない。新しい電子レンジは必要なので、選別のためにインターネットの海へ漕ぎ出した。今度はオーブンレンジにしたいな、お手頃なやつならアイリスオーヤマだな、でも奮発してバルミューダ買うのも憧れるな、とちょっとうきうきして商品ページを眺めていた。

1時間後に同居人が帰ってきたので、
「電子レンジ壊れちゃった」
と伝えたら、
「物置にあるやつ使えば?」
と返ってきた。

絶句ですわ。

確かにあった。同居人の持ち物で、職場で不要になったものを持ち帰り、寝室で飲み物温める時にでも使うかなとか言いながらも結局物置部屋に放置されていた電子レンジが。掃除の度に目の前を通過して段々風景と化していった箱が。おい起きろ、今再びその役目を果たす時が来たぞ。
壊れた電子レンジを撤去して、掃除して、新しい電子レンジを置いて、アース線を繋げた。試運転では大変調子良くその機能を発揮してくれた。
さらば、オーブンレンジの夢。次は何年後だ。

タイトルなし
ちょっとためらう値段。家に置いたらこれを基準にインテリア整える。

続いて全然違う話です。ねこの話です。
ちなみに、ねこが平仮名表記なのはそっちの方がかわいいから。「猫」と書くと、ほややかな雰囲気が一気に厳かになる気がする。それはそれで美しいのだけれど。
実家におわすマイリトルスーパーキュートシスター、それが私の妹ねこ。世界を揺るがす程度に可愛い弟ねこもいる。母が自分が産んだと言っているので、私とも血が繋がっているらしい。
そんな弟妹は、何か要求があるとにゃんにゃんと家族を呼びつける。基本的にはご飯とおやつが欲しい時だが、今回はちょっと違ったらしい。

妹ねこがやたらと鳴くので、「どちたの~?」と駆けつけた。こういう時にどうかしているのは人間の方だと、有識者がTwitterで語っていた。
ご飯は食べたばかりだし、残した割にそれを食べるわけでもなく呼ぶから別の要求なのかなと撫でてみたら、なんだか一生懸命に手や腕を舐めてくる。時々甘噛みもする。歯茎が痒いのかな?と噛まれた手を動かさないようにしても、するっと抜けていく。不思議に思いつつもしたいようにしてもらう。猫様の御心のままに。
後で母に聞いてみたら、
「毛繕いしてくれてるんだよ。歯で梳く動作をするでしょ?」
と教えてくれた。慈しみ深すぎて昇天できそう。

嫌なことされても絶対に噛んだり引っ掻いたりしない優しきねこ、私の妹。何年経っても新しい発見をくれる、素晴らしき存在。
なお、弟ねこは少しでも気に入らないと噛むし引っ掻くけれども、撫でると頭を押し付けてくるのが可愛過ぎていつも心臓止まりそう。
生命をも左右する可愛さ。バステト神よ、とこしえに。

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