【日記と】くまがでる。【エッセイの間】

 最近東北に熊が出る。恐ろしい熊である。これが住宅街に出て人を傷つけるから、早いところ安心して歩けるようになりたい。

 これが、ちょっと遠く離れると想像もつかないようなのだ。会社の社屋に立てこもった熊の親子をさっ処分したとき、クレームの電話が入ったそうな。300件ほど(増えてるかもしれないけど)。それも一件30分くらいの、長くて長くてそれでいて「可哀想!」と訴えたい人たちの。

 いやー、待ってください。熊に脅かされる私どもは可哀想ではないんですか。

 なんてことを考える。

 熊は可愛いが可愛いだけではなくって、ものを食べるし、「こいつぁ弱い」と見れば襲いかかってくる頭もある。女や老人の被害が多いのは小柄で弱そうだからだと聞く。熊だって選んでやっているのだ。
 
 それに農作物や家畜を食い荒らす。農家にとってはおまんまの食い上げだ。果物野菜に鶏。熊の害がなければそれは売り物になって、農家の懐は潤ったはず。

 おい、熊。こっちくんな。

 そんな言葉が通じる熊ではない。プーさんじゃないんだから。熊は腹が減っている。腹が減っているので人間の財産を食うしついでに弱いもんを襲って逃げる。

 だから駆除してほしい。

 理にかなっているとは思わないだろうか。生きるものは必死だ。我々、物価高で死にそうになりながら必死に生きてるのに、たかが熊に邪魔されたくない。犬の散歩だって「ひょっとして熊くるかな……」なんて思いながらやってられない。やったけど!

 熊は年々増えていて山に居られなくなった弱い個体がムラへ降りてくるらしい。「なだめて山に返す」とか言っていられない。山に返してくれるなら返してやってほしい。可哀想だと思うならあなたがたがやってくれると助かる。でもその熊、多分里に戻ってくるよ。

 もう家畜や作物の味をしめてるから。

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