見出し画像

25.5cmのシンデレラ

エレベーターで4階まで行こうと思ったのに、2階でドアが開いちゃったので反射的に降りた週末婚主婦です。
降りた瞬間にやべっここ2階だわって思ったんだけど、もう戻れないよね。
中の人、すげー不思議がってたけど、私も不思議。
結局歩いてのぼりました。いい運動になった。


何かnoteさんがこんな企画やってるよ!っていうのが上に出てきててね、
なんだこれは!と思いながらもね、書いてみようと思ったんですけど。

生まれ変わったら何になりたい?ってたぶん人生でもうン十回は聞いてるんじゃない?
何なら、小学校のころとか定番の質問じゃなかった?私だけ?
好きな子誰?くらいの確率で聞かれてた気がする。


小学校の頃は、セーラームーン!とか言ってたわけ。
んで、友達も、私はセーラーマーズ!とか言っててそれはもうほほえましい感じだったのよ。
おばあちゃんとかすげえ優しい目で見守ってくれてたし。
「週末ちゃんなら、生まれ変わらなくてもセーラームーンになれるよ」
とか嬉しいこと言ってくれてた。だから私も、
「えー!無理だよー!でもおばあちゃんが言うんだから、なれるかも!」とか本気で思ってた。

それからX年。
全然月に代われてない。おしおきもしてない。
何なら私がおしおきされてる。(あまりのミスの多さに)

セーラームーンの面接に行っても、丁重なお祈りメールをもらうことになると思う。
「あなたがセーラームーンに!?体型が…」とか大人の事情がちょっと見える感じで断られる。
あとで若い男の面接官に「いやマジでビビったっす。あれは無理っしょ。募集要項ちゃんと見た?って感じ」とか陰でいわれる。

万が一受かったとしても、あのキラキラオーラは出せない。
つーかたぶん、決めポーズで指がつる。
そんで、タキシード仮面が私を抱きかかえるためにマッチョになる。
私はマッチョが好きだからいいけど、原作の雰囲気は確実に損なわれると思う。

何で私がセーラームーンになれなかったの?何が悪かったの?とかいう次元じゃない。
本当に次元が違うから、私はセーラームーンになれなかった。
次元さえ同じなら!
いやそれだけじゃないんですけどね。

で、生まれ変わったら何になりたいか。

24cmくらいの足の女になりたい。これが今のマジな願望。

私、足のサイズ25.5cmあって、コンディションによっては
25㎝が入るんですけど、まあ普通は入らない。
ただでさえ縦が長いのに、横幅も広くて。

女物の靴って大体25㎝までじゃない?
おしゃれ~なお店に行くと、下手したら24.5までしかないとか言われる。

たまに、大きいサイズの靴が置いてあるお店があるんですよ。
でも、25と25.5の間には深い溝がある。
いつの間にかほこりがたまっちゃって、年末くらいしか掃除しない溝。
あ~、そんな溝もあったねって。忘れてたわって。
最後にお母さんが表面だけちゃちゃっと拭いて終わりにしようとする感じの溝。

それはいいとして。
まず、店員さんの対応が違う。
25cmまでは「ほらほらどれでも選んでいいのよ~」みたいに優しいのに、
25.5って言ったとたん「あ…こっちにあったかな?」ってなる。
あれ?店員さんの記憶消えた?
さっきまでの優しさと余裕は?
すげー慌てるの。で、商品がないととめっちゃ申し訳なさそうに謝る。
いやお姉さんは悪くないんですよ。私の足が…。
特に新人さんは丁寧に在庫確認してくれちゃうので、申し訳なくて聞けない。
だから最近はベテランっぽい人に聞く。
それでも、申し訳なさそうに謝られることが多いんですけど。

それと、デザインよ。
なぜか知らないけど、大きいサイズの靴のデザインって急に雑にならない?
あれ?ミニチュアで作った靴にビッグライト当てた?
色の塗り方、雑じゃない?あと、なんかでっけえ宝石みたいなのつけとけばよくね?みたいな風潮ない?
24.5まではあんなに細部にこだわったデザインしてくれたじゃん?
デザイナー変わった?

私がシンデレラだったら、王子、一発で私を見つけに来る。
召使い的な人が、私の落としていった靴を拾って
「25.5cmですね」
って言った瞬間に、たぶん、城、ざわつく。

でかくね?みたいな。
横幅もまあまあある女だったけど、足もでかくね?みたいな。

国王も「もう少し足の小さい女性でいいんじゃないか?」とか言い始める。
それでも王子は「いや、私はあの人がいい!」って言う。
「国中から、25.5cmの足の女性を探すのだ!」

たぶん、国中に2,3人しかいない。探しに行くより呼んだほうが早い。
で、呼ぶぞ!ってなった瞬間に見つかる。

だって、私、靴拾いに行くもん。
冷静になってみて。
そもそも25.5cmの靴はほとんどない。
あったとしても、横幅が足りなかったりして、
ぴったりの靴は2足あるかどうか。
で、魔法使いが私にぴったりの靴を作ってくれた。
帰るときにはパニクってて気づかなかったけど、やべっ忘れてきた!ってなる。
玄関でため息ついて、城に戻る。
社員証忘れてきた感じで戻る。
たとえどんなに気まずくても。
それくらいないの。25.5cmって。

でも、最近はお店の人がめっちゃ頑張ってくれてる。
昔よりは、可愛いモデルさんが履くような靴を、大きいサイズまで取り揃えてくれてる。
マジで感謝。チェケラッ。

でもね、私は若いころにそういう靴を履きたかった。
みんなみたいな可愛い靴を履いて、おしゃれして出かけたかった。
私だけスニーカーか運動靴。どの写真を見てもそう。

だから私は、生まれ変わったら24㎝くらいの足の女になりたい。

んで、あわよくば王子様にもらわれたい。
そっちが本命なんですけどね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?