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100年の孤独/放哉に想う〈Vol.11〉 香りたつ五月のバラ  

バラの垣が無雑作に咲き出した

尾崎放哉全句集より

この句は、全句集「Ⅲ 句稿」(大正14年~15年)の章の句稿3 雑吟として載っています。年譜を見ますと、大正14年5月の立夏をすぎたころに作られた句と思われます。ちょうど須磨寺から福井県小浜市の常高寺に身を寄せていた時分です。ただお寺が破産したため、この地では2カ月ほどしか暮らしていなかったようです。この間、一人庭の草ムシリをしながら句をつくっていたと放哉は言っています。五月の空の下、病を得ていた放哉は、バラの花の色と香りに強く生命の息吹きを感じたのかもしれません。



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