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100年の孤独/放哉に想う〈Vol.13〉 小さきものに目を止めて

生れ出た虫よ風ある大地

尾崎放哉全句集より

草も木もない橋の欄干の上を尺取虫は歩いていました。こうやって地を這うときが、この虫にとって一番の試練なのかもしれません。翅を得て好きなところを飛び回り、好きな相手を求めて宙を舞う。それまでは、ひたすら胴を持ち上げ前へ、前へと進みつづけるしか仕様がないのでしょう。
小さきもの、取るに足らないものに目を止め、放哉は句を詠んでいました。自らの孤独を確かめるように。




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