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初めて整体に行ってみた

金曜日、大学の友人に誘われて仕事終わりに整体に行ってきた。
梅田の駅ビルの「王宮」という中国式(?)の整体だ。

最初は整体に行くつもりはなかった。友人に「マッサージ(エロくないやつ)行こう」と言われた時は、乗り気じゃなかったので「まず飯に行って、それから考えよう」と返事した。

飯を食いながら話していると、整体のハードルがどんどん下がってきた。僕は整体をどこかエロいものだと考えていたのだ。上裸になり、オイルを塗りたくられて、中年のおばさんにベタベタ触られるような。実際はスポーツウェアのようなものに着替えて、マッサージ中は居眠りできるほど機械的なものだと教えてくれた。値段も1時間3000円くらいらしい。僕は倍以上のイメージを持っていた。

大阪の駅ビルには安い整体の店舗がたくさんあり、どこかは空いているという感じだった。王宮はダントツで客が少なかった。特に何も考えずに店に入った。

コースは1時間で足ツボ+上半身マッサージ(3000円)にした。僕の担当は日本人のおじさんだった。「足と体、配分はどうしますか」と聞かれたので、とりあえず体を長めにとってほしいと伝えた。

バケツに入った足湯で足を洗った後、早速足ツボをしてもらった。奇妙な体験だ、と思った。他人に(しかもおじさんに)湿った手で優しく足を触られている。人生で一度もされたことのないようなことをされる。そんな場所までやってくれるのか、という微妙な足の凹みにまで、丁寧に指を食い込ませてくる。時々痛いが、癖になる痛みである。いっそこの痛みをずっと感じていたいと思うほどだ。

足は20分ほどで終わり、上半身に入る。ドーナツ状の枕に顔をうずめる。背中におじさんが乗っかる。

僕は平日はずっと記事を書いているので、知らぬ間に上半身に疲れが溜まっていたようだ。足に比べ、痛い箇所が多い。特に腰。かなり強めにプッシュされても、蓄積された腰のハリの方が強くて、相殺される感じがある。肩コリもひどかった。時間を延長して腰と肩をもっとほぐしてもらいたい、と思っていた。

60分が終わると、おじさんは「上半身がひどいね」と言った。バレてるんだろうなあと思っていたが、やはりバレていた。社会人になってパソコンを一日中触りだしてから2年半、一度もちゃんとマッサージをしなかった。よく先輩や友人が肩コリがひどいというたびに「僕は肩がこってるのかこってないのかわからない」と言ってきたが、こっていたのだ。

友人の言った通り、店を出た後は体が軽くなった。また来たいと思った。しかしこうも思った。社会人になると「人生の楽しみが疲労の回復へシフトしてしまうんだなあ」。

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