セクハラとは何か?あるnoteから考えてみた

セクハラという言葉がこの世に台頭して、10年くらい経つだろうか。
それでもまだ、セクハラの定義は曖昧で、判断は難しい。
相談したところで、「え?なに?モテ自慢?」とされてしまうことも少なくない。

セクハラとは何か、我慢しているとどうなるか、その対策について、前回のnoteを引用しながら解説したいと思います。

…というのも、セクハラって、人類の数だけ形が変わってくるから。
なので事例が千差万別。
解説するにも、具体的な事例があるとぐっと理解度が上がります。

(セクハラに着眼してのnoteも書けるな、と思っての今回の記事なので、作品自体はそれとしてお楽しみいただければ幸いです^ ^)





1.セクハラとは何か?

まず、セクハラとは何でしょうか。
それは、「性的な嫌がらせ」「相手の望まない性的言動のすべて」を指すと言われています。

…ちょっと分かりにくいですね。こちらから引用してみましょう。

「ねぇねぇ、彼氏とどこまでいってるの?」
「どこが一番感じるの?」
「イッたことある?」


冒頭の飲み会のシーンで、「私」が男性社員から投げかけられる言葉ですね。

これは、セクハラの中でも「発言型」と分類されるもので、性的な冗談を繰り返し言うものです。

”冗談”というのが厄介なもので、「私」も、冗談で言っている事なのだから…と、不快感を感じながらも受け入れています。

回を重ねるごとにどんどん過激になっていく、との記述から、過激な発言ほど喜ばれる傾向があると推測されます。

参考:ハラスメント110番



2.性格によってセクハラに遭いやすい?

さて、不快感を抑えながらも飲み会に参加していた「私」。
彼女は残らなければならない使命があります。
それは社員を家まで送り届ける事。

「私」は、酒を一滴も飲めず、不快な冗談に耐えるのは、「社会人としての務め」だと考えました。

きついな、と思う性の話も、こういうものなのかと思い、へらへら笑うしかないのは、全部私が子どもだから。
知識が無い。経験が無い。
こういう時、どうしたらいいか分からない。
でも、そんな自分を知られたくない。


一方、同じく新社会人の同期君の方はどうでしょうか。

「じゃあ、俺ここで帰ります」
「え?もう?これから二次会行くぞー?」
「帰ってゲームしたいんで」


同期君は、「飲み会は仕事として付き合うけれど、帰るタイミングを決めるのは自分」と割り切っています。

性格の違いがよく表れていますね。

「私」:共感性が強く、同調圧力に弱い。空気が読めるタイプ
「同期くん」:共感性に乏しく、同調圧力に強い。空気が読めないタイプ

「私」は空気を読み過ぎて、自分の意見を言うことができなくなってしまいました。

過激な言葉が喜ばれる空気のある、この場合は、彼女は「格好の的」になってしまったのです。



3.セクハラを我慢していると…?

そんな状況で場面は進み、ひと際過激な発言をする先輩と「私」は2人きりになってしまいました。

先輩は、「私」を気軽にヤレる対象と認識し、彼女をホテルに誘います。
彼は、彼女が同調圧力に弱いことを知っているので、強引です。

過剰な「性的発言」を我慢していると、このようなケースに発展する可能性があるのです。

それは、「性的に見ても良い」「見られてうれしい」といったメッセージを相手に送ることになるからです。たとえそれが誤解でも。

「私」は、こうなって初めて、相手に誤解させ続けていたことに気づいたのです。


いや、好きじゃない。
決して私は好きじゃない。
社交辞令として、我慢してるだけだ。



4.セクハラの対処法

セクハラはの対処法としては、以下の方法が挙げられます。

・拒否の姿勢を明確に示す
・仲間を作る
・社内の然るべき担当者に相談する

「私」は、同期の存在を思い出し連絡をします。
また、彼もその声に応えました。
そして、彼は担当者への相談をするようにもアドバイスしてくれます。


「あっちが100%悪いんだから堂々としてればいいんだよ。で、月曜に人事に行けばもう終わり」


異性の助けを呼んだことで、拒否の姿勢を明確に示せたこと。
仲間を作ったこと。
人事に報告し、きちんと問題化すること。

全て偶然ではありますが、これをきっかけに劇的にセクハラ問題は解決の方向に向かいます。

参考:労働問題弁護士ナビ


5.対応されなかったときは?

さて、この話には後日談があります。
月曜日、人事に相談した「私」は、相手にされませんでした。

それどころか、

「飲み会での話」「あなたも助長させていた」「若くてかわいい証拠」

などとあしらわれてしまったのです。

「私」は、社内で不和を起こしたいワケでは無いので、その場では泣く泣く諦めます。

しかし、この場で力になってくれたのも「仲間」の存在です。

助けてくれた同期が証言してくれたこともありますし、他の女性社員も、今まで過激な発言には耐えきれない、と行動を起こしてくれました。

自分だけでなく、他の人の証言も併せると効果が絶大で、無事、先輩社員はお咎めを受けることとなりました。

また、会社の担当者にこのような対応をされた場合、外部機関に相談する方法もあります。

相談を聞いてほしいのか、会社を訴えたいのかによって、相談するところが変わってきます。

・相談をしたい
女性の人権ホットライン

・会社への行政指導をしてほしい
各都道府県の労働局

・公的機関を仲介してトラブル解決をしたい
労働基準監督署の総合労働相談コーナー

抜粋して紹介していますので、詳しく知りたい方は下記をご参考ください。



6.まとめ

セクハラなんて、遭わないことが一番なのですが、遭ってしまった際には、以下の方法で対応してみましょう。

「明確に拒否の姿勢を示す」
「仲間を増やす」
「ひどい時には担当者に相談」

といっても、されている側は我慢することが多いですよね。
会社の人間関係は円満の方がよいし、私さえ我慢していれば…という思いは誰しも持つものです。

しかし、セクハラで築かれる信頼関係などこの世に存在しません。
だから、我慢することは無いのです。

また、セクハラされるのは女性だけではありません。
男性だってあるでしょう。

「NO」と示すことは、とても勇気が入りますが、自身を守ることに繋がります。


◇◆◇◆

また乾杯しよう のコンテストで、このような話を書くのはどうなのだろうか、と悩みながらも、世に出しました。

明らかに雰囲気が違うし、企画側の思う趣旨とも違うもので、コンテスト向けじゃないな…こんなの出したら非難されるんじゃないかな、なんて思いました。

結果、読者の方の受け皿の広さに救われ、
途中、ハラハラしたけどホッとした、とご感想を寄せていただき、「私」に感情移入していただけたかな、とちょっと誇りに思ってます。

さて、そんなみなさんに、少し意地悪な質問をしますね。

過激な言葉を投げかけられて嬉しかったですか?
好きでも無い男が強引にラブホに連れてこうとして、どう思いましたか?

「セクハラされたなんて、モテてる証拠」なんて、言われたら、どう思いますか?

多くの人が、嫌で悲しい思いをするでしょう。

そう。セクハラって、そんな気持ちになるんです。

お酒の席は楽しいのが一番です。

お酒を借りて、お酒を言い訳にして、誰かを堂々と傷つけて良いはずがありません。
やったことの責任は、いついかなる時も持たなければならないのです。

全員が、楽しい乾杯ができる。
乾杯の席で悲しい思いをする人がいない。

そんな未来が来ることを、私は待ち遠しく思います。






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