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この世は二人組では出来上がらない | 山崎ナオコーラ | ☆☆☆☆

このところ登場人物に愛着の湧く物語を読むことが多いんだよな。

タイトルの意味を、噛み締めながら読み続けた気がします。主人公の女性は、大好きな人と一緒に暮らしたり、たまにケンカしたり、それでもやっぱり好きだって思ったり、彼との世界だけが作られていましたが、やがて、二人ぼっちじゃないよなって気づくんですね。それが、このタイトルにつながってると感じたんですけど、自分の思いを文章にする箇所が多く、特に後半はなんかぼんやりした話だなと思いました。

ぼんやりする箇所は好きなので、主人公がどういう思いを描いているのか想像しながら読むんですけど、主人公はとんがったりするところや丸いところ、それぞれを持っていて、掴みどころのない人だよなぁという印象です。けど人間ってみんな、掴みどころのない人ばかりだよなぁ。

主人公は小説を書く人で、その辺が、山崎ナオコーラさんが自分の姿とリンクさせてるのかなぁ、とか、

そうだそうだ、

山崎ナオコーラさんは自分にどの程度寄せて書いてるんだろう、って気になりました。
多分彼女の作品を読むのは3つ目で、どれも女性が主人公なんですがみんな似たり寄ったりな印象なんですよね。
だから、もしかしてそれって自分に寄せてる部分があったりするのかなとかね、ちょっと思いました。

私も小説を書くことがあり、その時には、私の思考プロセスを頭に思い描きながら書くので、どうしても似てくるんだよなぁ。優男にやってしまう印象があります。フーガとユーガの父みたいな書き方はどうしたってできないんだよなぁ。その点、伊坂幸太郎さんはいろんな人を描けていて、すごい。脱線した。

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