運命が分かっている物語

このタイミングだからこそやはり、100日で死んでしまったワニのことを書くべきなんだろう。感想文的な扱いで。

私がそれを知ったのは多分50日目くらいでした。
少しバズり始めたくらい?の頃だったのかな。
へぇ、面白いことやってんじゃんと思い、毎回そんな気にしてなかったけど、たまたまTLに流れてきた時には見てるような感じでした。

私、TLをながーく追うことはしなくて、そんなことしてたら時間がいくらあっても足りないし、あまり有効な時間の使い方ではないという価値観を持っているので、多分、私が見てない時のワニも沢山あったんだと思う。

90日を超えたくらいから、ワニについてツイートする人が沢山増えてきましたよね。最後の最後まで、彼は自分が死ぬ運命にあるということを知らないで生きていたように思います。

だからこそ、彼を愛おしく思う人が多くて、100日目の頃にはみんな彼のファンになってたのではないかと。

そういうわけで私は前半の頃のワニを知らないから、3日目?でヒヨコを助けていたという伏線は知らなかったなぁ。
きちんと伏線を張っている辺り、作品という意図を持って作っていたということですね。

最後の死に方、本当に死んだのか分かりませんけど、キレイな散り方のように思えました。

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85日目くらいに、ヒッチコックが発言したという↓を読んで、ワニだけじゃなくて一般化して考えたことがありました。

たぶん、ヒッチコックの言っていることとはちょっと違うのだろうけど、100日目に死んでしまうという状況を理解した上で、ワニの日常を見ることで、上にも書いたけどある種、彼を応援したい気持ちが生まれるんだよなぁ。

悪い事をするような奴が残り数日で死んでしまうことを知っているのなら、「そんなことをしてもお前、あと数日で死んじゃうんだからな」という、ある種の憐れみと、今、目にした彼の悪行を、多分それがもたらす悪の重さを少しだけ軽くして見ていることになるだろうし、

何が言いたいのかという言うと、そういう思い入れがあるから、作品っていろいろな見方がありますね、と。

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