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林業と農業はつながっているじゃないか。


日本各地の生産者さんを訪ねてきているので、農業の現場、抱えている課題などは目の当たりにしてきた。

未利用資源の有効活用プロジェクトに参加するうちに、農産物だけではなく、森林資源にも同じような問題点があることを知った。

「林業の現状はどうなんだ?」

大分県中津市で長年林業に携われている「久恒山林株式会社」の久恒社長にお話を伺った。

社長の久恒さん。林業の現状をとても丁寧に説明していただいた。


農業と同じく、林業の現在抱えている問題というのも複雑だ。

安価な輸入建材の普及、住宅様式の変化、林業従事者の高齢化、などなど…。

久恒さんのお話の中で「山が荒れる」という言葉が何度も出てきた。

「山が荒れる」とは?

植林をした後、20年ほどの周期で間伐を行い、木と木の間隔を適度に保たないと、木が密集して地面まで太陽の光が届かなくなる。
そうなると土、草花は育たず、虫、動物が集まらない。
細く痩せた木々が密集した、真っ暗な森となる。

間伐を行い手入れされた場所と、間伐をせず長年放置された場所を実際に見せていただいた。

「こんなにも違うのか…。」

間伐をした森は適度に明るく、草花が生い茂り、土もふかふかだ。
そこら中から鳥の鳴き声が聞こえてくる。

まさに「生きている森」だ。

間伐をせずに放置された森はどうだ?

真っ暗で草木は全くない。葉は枯れて木も土も痩せている。
不気味なくらい静かだ。

登山が趣味で、今までたくさんの森を歩いてきたのに、放置された森林の現状なんて気にも留めてこなかった…。(下山後の温泉のことばかり考えていた…)


間伐された森。適度に明るく多様な草木が生い茂り、土もふかふか。
放置された森。暗く草もほとんど生えていない。
日が当たらず光合成ができない葉は枯れていく。
右半分が間伐された場所。左が放置された場所。違いがよく分かる。


久恒さんのお話では、昔は伐採後に村人が集まり山焼きをしたそうだ。
お祭りのような賑わいで楽しかったと。

また山焼き後の場所には里芋が大きく育ち、自然に野いちごも実をならせ、それをジャムにしていたそうだ。

村が林業を中心に、いきいきと賑わっていた様子が想像できる。

林業も農業もつながっているじゃないか。

森林資源を直接ジャムやデザートに仕立てるのは難しいかもしれないが、何か自分の活動に取り入れていけるのではないか?


久恒さんは山林資源の有効活用として、伐採した木の枝や葉をチップにして蒸留し、素敵なアロマとして商品化されている。

その間伐材の残さを匂うととてもいい香りがした。

スギや檜の香りに包まれながら、デザートを味わったらどんな体験になるのだろう?

そんな「森の香り」をテーマにしたデザートイベント。

考えるだけでワクワクしてくる。

面白くなってきたぞ〜!

クロモジの葉。いい香りだ!
山椒の葉。うなぎ食べたくなってきたー!
間伐材の枝や葉をチップにして蒸留した後のもの。森のいい香りがする。


以前「香り」について書いてましたね。
よかったらご覧ください。↓


未利用資源についても。↓

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