Feeling good

予報では今夜降ると言っていた雨は、昼前には降り出した。3月下旬も雨が続き、4月になっても雨予報が続く中、昨日までの4日間は貴重な晴れ間で、桜もようやく陽の光を浴びることができたと言わんばかりに咲き始めていた。そんな時に雨に打たれることになり、春の空気には消化不良感が漂っていた。
朝食後の食器洗いや洗濯など一通り家事を終えて、窓辺にあるテーブルに向かう。椅子に座り、パソコンを開き、白紙のページを前に今日1日を思い浮かべる。特に大きな予定は無いため、淡々と過ぎていきそうだ。
退職後の日課に、毎日を書き留めようとしたが、わざわざ文章にする程でもない今日を前にして、2日目で挫折しそうだった。一旦、白紙のページを閉じ、メールを開くと、市立図書館から、予約していた本が到着したと連絡が入っていた。この知らせに一気に、今日がいい日に思えた。読みたかった本たちと会えるのは、スーパーで新鮮な魚が手に入ったのと同じくらい日常に彩りを与えてくれる。
私は傘を差して、小雨の降る肌寒い中、図書館まで歩いていく。
帰り道、肩にかかる貸出冊数いっぱいの10冊の本の重みが幸せだった。
変わり映えしないと思っていた日が、一気に愛おしくなった。
最高の気分だ。


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