『2022年12月の忘年会需要を考える』~飲食店の為のマーケティング講座~
緊急事態宣言解除から半年以上経過し、久しぶりの規制のない状態での年末になります。とはいえコロナ前と同様になることは考えずらいというのが、店舗を運営していての実感かと思います。
そこで再度、コロナ前までの忘年会需要の変化を整理してまとめましたので、今年の12月をどう戦うのか?について考える際の参考にしてもらえればと思います。
※過去の『ぐるなび』や『ホットペッパー』が行っているアンケートデータも使いながら考えていきたいとます。
◎まとめ
・今年の忘年会の参加率は
ホットペッパーのデータからの予測: 45%
ぐるなびのデータからの予測: 職場22.3% 会社41 .6%
・新年会含め、ずっと下降傾向
・単価は増加傾向
一番のボリュームゾーンは5,000円から6,000円、
次いで4,000円〜5,000円
3,000円から4,000円のゾーンは減少傾向
・組人数も減少傾向
2019年は7名以上の割合が85%だったのに対して今年(10月末時点)は48%となっており、組み人数の低下が進んでいる。
・当然ながら2次会利用も減少
1次会が減少すれば当然ながら2次会も減少。また、緊急事態宣言後も21時以降の戻りが悪い面もあり、今後の回復もあまり期待できない。
・結論
①需要に合わせたコース・サービスを変化させていくことが必要
利用人数、価格、利用シーン、時間帯を見極めてそれらに対応したものを準備する必要があるでしょう。
②一方で、①を取り切ったとしても以前のレベルでの売上が期待できないお店は何かしらの施策を打っておくことが必要。また1月以降のことも考えておく必要あるでしょう。
※特に過去に22時以降売上の取れていた業態は、そこの落ち込みをカバーできる何かしらの対策を打っておくことが必要でしょう。
(方向性としては、営業時間の拡大、変更。イートイン以外の売上ルートの拡大となるでしょう)
1.3圏の忘年会・新年会参加率の推移
データの出所:ホットペッパーグルメ外食総研(https://www.hotpepper.jp/ggs/)
ホットペッパーグルメ外食総研から発表されている過去の忘年会・新年会の参加率から今年(2022年)を予測してみました。
コロナが始まる前から既に忘年会・新年会需要の減少は始まっており、更に2018年頃から減少の幅が広がってきていたところでした。(下記参照)
推移をみてもらうと2011年は忘年会は63.8%、新年会は46.9%だった参加率がコロナ直前の2019年にはそれぞれ51.7%、31.2%を大幅に落ち込んで来ていました。
こちらの推移から今年の参加率を推測してみました。2017年頃からのトレンドで推測すると今年の参加率は
忘年会:45%前後 新年会:24%前後
となりそうです。こちらは、1度でも参加したことのある人の割合ですので、マーケットとして考えると参加回数も関連してきます、以前は一人で複数回参加するケースが結構ありましたが、最近ではそちらの減少もありますので、マーケットボリュームとしては、2019年の80%も行けばいい方ではないかと推測されます。
2.ぐるなびのデータからの忘年会の参加率
ぐるなびの発表している2018年と今年のデータ(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001197.000001511.html)からホットペッパー同様に今年の参加率を推測してみます。
・下記は今年(2022年)のアンケートの結果です。忘年会の参加意向は職場・仕事で50.7%、プライベートでは67.9%となっています。その下に2018年の同様のアンケートを添付しています。比較してもらうとどちらにおいても『参加する』と言い切る積極参加の人の割合が減少しています。特に職場・仕事の方は3/5位に減少しており、会社系の忘年会への参加はできればしたくないといった人が増えていそうです。
ここ2年での参加実態は以下になります。
こちらから2021年の参加意向と実際の参加した人の割合を出し、今年(2020年)の参加率を予測してみると下記になります。
忘年会への職場での参加率が22.3%、プライベートで41.6%となりました。
こちらのデータからの推測できることは、
・職場・仕事系の参加率は昨年の2.02倍
・プライベートの参加率は昨年の1.70倍
となりそうです。
3.全国の企業を対象にした「忘年会・新年会」の実施アンケート
東京商工リサーチのデータから
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20221028_01.html
東京商工リサーチが、全国の企業へ『忘年会・新年会』の実施についてアンケートを取っています。その結果を見ると企業規模の関わらず、6割強の企業が『緊急事態宣言』や『まん防』に関係なく開催しないと答えています。昨年よりかは9ポイント減っているようです。ざっくり開催する可能性のある企業が30%から40%に増えたと考えると、会社系の忘年会の需要が1.3倍強になると言えそうです。実態としては会社公式ではない忘年会は行われると思うので、先ほどのぐるなびの結果のように倍くらいにはなるのでないかと思います。一方で会社補助が出るような忘年会は1.3倍にしかならないとも予測できます。
4.忘年会の予算(単価)についての考察
・参加費価格分布の推移
ホットペッパーグルメ外食総研の昨年のデータから考察したいと思います。忘年会の参加費の分布のボリュームゾーンは、3~4千円と5~6千円だったかが、徐々に3~4千円ゾーンが減少、5~6千円ゾーンが増加する流れです。コロナ直前は、ボリュームゾーンが4~5千円、5~6千円に変わってきています。2020年はイレギュラー、2022年は実績ではなく想定値なので実態としては、4~5千円、5~6千円にボリュームゾーンが来ていたと思われます。
コロナ前までの推移も含めて推測していくと、価格帯の1番のボリュームゾーンは5,000〜6,000円、次いで4,000〜5,000円、その次に3,000〜4,000円になりそうです。回数も減っていることもあり、参加したいものであればあまり予算はケチらないといった感じなのでしょう。
仲間内の宴会(パーティー)が取れるお店は、5,000円以上のコースもしっかり用意しておきましょう。
5.ワタミが発表しているデータからの傾向
ワタミ株式会社が,居酒屋主力事業である「ミライザカ」「三代目 鳥メロ」の2022年10月末の予約状況と傾向を発表しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000765.000009215.html
■今年の忘年会のトレンドは少人数で集まるプチ忘年会!?
■理想とする忘年会の参加人数は6人以下、4人以下が約4.5割
■2次会需要の減少
1次会自体の参加回数・人数が減少することを考えると当然ながら、その2次会の会の人数も減少
→2次会需要も減少、もともと緊急事態宣言以降でも21時以降の利用が減少したままで、戻りが悪いことを考えると以前のように戻ることは期待できそうにない。
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