遺言書を実際作成している人はどれくらい?〜遺言書の3つのタイプと年間作成件数
遺言の種類
民法は遺言の方式として、「普通方式」と「特別方式」を定めています。
普通方式
まず普通方式は、次の3つです。現在主に活用されているのは「普通方式」のうち、(1)自筆証書遺言と(2)公正証書遺言になります。
特別方式
もう一つの「特別方式」では、例えば船の上で遺言を作る場合についても定められていたりします。
年間作成件数の推移
主に活用されている「普通方式」の遺言書作成件数ですが、各種統計によりその数字を確認できます。
(1)自筆証書遺言
自筆証書遺言は、
①自分で自筆で作成してどこかで保管しておくもの
②「自筆証書遺言書保管制度(令和2年7月開始)」を利用して、法務省で保管しておくもの
の2種類があります。
以前は①だけだったのですが、自宅などに遺言を置いておくと見つからなかったり、気づかず捨てられてしまったり、改ざんされたりする恐れがあるため、令和2年7月から②「自筆証書遺言書保管制度」がスタートしました。
①の自宅などに保管している件数については統計もないため、どれぐらいの方が作って自宅で保管したりしているのかは不明です。相続開始後には家庭裁判所で「検認」という手続きが必要なため、検認件数を見てみると、令和4年は年間2万500件となっています。
一方、②の保管制度利用件数は、令和4年で年間1万6,802件となっています。
(2)公正証書遺言
遺言の内容を公証人が聞き取り、その内容を公正証書にまとめて作成する遺言書です。
公証役場における公正証書遺言の作成件数は、令和4年で年間11万1,977件となっています。近年はほぼ横ばいで推移しています。
(3)秘密証書遺言
遺言書を秘密に保管するために、封をした遺言書の封筒の中に遺言書が入っていることを公正証書の手続きで証明する方法です。遺言の内容は秘密にしたまま、偽造・変造などが防げます。
この方式で遺言書を作成した件数は、令和4年で年間68件となっています。
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