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対話と“創造的“対話(インプット備忘録5−1)

こんにちは。とあるベンチャー企業でひとり人事をしている朱夏です。

今日は、いつもお世話になっているミミクリデザインさんのWDA動画コンテンツより、『創造的対話』についての備忘録です。
思ったより盛りだくさんになってしまいそうなので、2つに分けて書こうと思います。

そもそも対話とは何か

対話=dialogue
語源は dia(〜を通して)+logos(言葉・意味)
→言葉や意味を通して相互理解を図るコミュニケーションのこと。

対話とは、あるテーマや体験に対する意味づけや感情、大切にしている価値観などを探究的に語り合い、自己や他者をより深く理解していくためのコミュニケーション手法を指します。

対話においては、3つの前提が存在します。

1.自分と相手の意味づけ、価値観は違う
2.意見の正誤や勝敗を判断したり、1つの答えを決めるものではない
3.2人以上の他者との会話だけでなく、自己との会話の中でも成立する。

身の回りの物事は「客観的な事実+主観的な意味づけ」で構成されています。

例えば、居酒屋のテーブルに、半分くらいの量のビールが入ったジョッキがあるとします。これは誰が見ても変わらない客観的な事実です。

イラスト70

そのビールを見つめている今が、飲み会の乾杯直後だった場合、「もう半分しかない」と思うかもしれません。
あるいは、そのジョッキが会社の上司のもので、「上司のお酒を切らしてはいけない」という考え方を持っている場合も、「もう半分しかない」と思うかもしれません。

もし、飲み会もそろそろお開きムードな場面だったら、「まだ半分も残っている」と思うかもしれません。
あるいは、ビールではない違うお酒が飲みたい時も「まだ半分も残っている」と思うかもしれません。

このように、その人が置かれている状況や大切にしているものによって、物事をどう捉えるかは変わります。
対話において重要なのは、その捉え方、
すなわち「お互いの意味づけ」を共有するという点にあります。

なぜ対話が必要なのか

ハーバード・ケネディスクールで教鞭をとるロナルド・ハイフェッツ教授によると、組織においては「技術的問題」と「適応課題」という2つの問題状況が発生します。

技術的問題は既存の知識・方法で解決できるのに対し、適応課題は既存の方法で一方的に解決することができません。
適応課題は、関係性の中で生じる複雑で困難な問題を指し、以下4つの型があると言われています。

◾️ギャップ型
大切にしている価値観と実際の行動にギャップが生じているパターン。
自分の意に反して強制的に何かをさせられている場面など。

◾️対立型
お互いのコミットメントが対立しているパターン。
お互いに自分のやりたいことをゴリ押そうとしている場面など。

◾️抑圧型
言いにくいことは言わないパターン。
思うところがあってもだんまりを決め込んでいる場面など。

◾️回避型
痛みや恐れを伴う本質的な問題を回避するために、逃げたり別のものにすり替えたりするパターン。

いずれの適応課題にも共通しているのは、自分と他者の関係性です。

近代の社会学者マルティン・ブーバーより、他者との関係性は次の2つがあると言われています。

◾️私とそれ
人間性とは別のところで、“道具としての効率性“を重視した関係性。
スムーズな社会の運営や仕事の連携に必要なものだが、一方で
 ・営業なんだから
 ・マネジャーなんだから
 ・夫/妻なんだから
といった、役割での主張のぶつかり合いが起きたりします。
(こういった衝突は、見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか)

◾️私とあなた
自分の中に相手を見出すこと、相手の中に自分を見出すことで、双方向に互いを受けれ合う関係性。
お互いに「自分が相手の立場だったかもしれない」というスタンスで関わり合う。

要するに、適応課題を解消するには「私とそれ」の関係性を見直し、「私とあなた」の新しい関係性を再構築していくことが求められる。
そのための手法として、対話が不可欠である、ということなのです。

創造的対話とは

互いの価値観や意味づけを共有する相互理解を前提として、
新たな意味やアイディアが創発する対話のことを「創造的対話」と言います。

通常の対話は共感を持って相手の話を聞き、相互理解をすることが目的でしたが、創造的対話ではそれを踏まえて、全員にとってより良いもの、新しいものを生み出すことが目的になります。

これ、私自身も完全に腹落ちしているわけではないので具体的な例で出すのがとても難しいのですが……

自分の価値観、相手の価値観どちらも大事に取り扱った上で、「どっちが良い/悪い」という二項対立を超えて新しいものを描く、

お互いの価値観を見せ合うことで生まれる新しいものを言葉にして紡いでいく、といったイメージでしょうか。

こういった形の対話が、商品開発や街づくり、組織開発や人材育成に新しい視点をもたらしてくれると言われています。

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今回は対話と創造的対話について、
まず「そもそも対話とは何か」と、創造的対話の概要についてでした。

適応課題については、まさにいま自分の所属する組織や社会に当てはまるなとしみじみ思いました。
みんな「自分の話を聞いてほしい」「自分の主張を受け入れてほしい」「自分を承認してほしい」それだけなんだよな、と。

目の前の課題を解決するには、まず目の前の誰かを知ることから始まるということを、改めて実感することとなりました。

後編は、会話における4つの領域と創造的対話に至るフェーズについて、
まとめていきたいと思います。

それでは今日はこの辺で( ˘ω˘)


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