哀しみと詩
哀しみは、何の音もなく
押し寄せて、すべてを呑んでゆく。
レヴィアタンの大蛇のように強欲な、
哀しみの悪魔はすべてを呑んでゆくのだ。
哀しみに、呑まれた後は、
わたしはいつでも詩にすがる。
詩は、いつもわたしの拠りどころとなり、
暗い路を照らすちょうちんの代わりになる。
大いなる哀しみの怪物に、
わたしは幾度となくおそわれたが、
ふしぎなことに命を保ち、
それを永らえてこられている。
書ける詩が尽きないかぎり、
わたしは強靭な肌のまむしのごとく、
きっと強く、しぶとく生きてゆかれるであろう。
だから、わたしは今日も詩を書く。
(2024.9.27)
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