夏の夜風

眠れない夜━━私はひとり
カーテンを開いてまどを開け
夏の日の夜風を身に受ける
あたたかく それでいてやさしい夜風を

去りにしかつて愛したひとも
このようにあたたかく やさしかった
愛の言葉を受けるには
臆病であり過ぎたわが心よ

眠れぬこともあり この心の
臆病さを取り上げて責めてしまいそうだ
けれどもそれもせんなきことだ

━━また一陣吹きかかる
夏の日のあたたかな やさしい夜風
私はひとり思い出す 昔日せきじつのひとつの過ちを


(2024.6.27)

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