強くなれる給料/日経ビジネス2019年4月22日号
給料のネタって、実は経営者にとって結構気になるネタです。
僕みたいな零細企業で社員を雇っている会社の場合、どうやって給料を設定しているのか非常に気になります。なかなか人に聞きづらいし、聞けたとしても会社によって全然違うので、あまり参考にならなかったり。
そこで、いろいろな要素を勘案して、自分なりに給料体系を設定しています。
うちの会社の場合は今のところ、年令によって金額を決めています。その名も「年齢給」。この雑誌で言うところの「年功序列型」といえるでしょう。ただし、会社の業績がダイレクトに自分の給料に反映される仕組みになっています。会社が儲かれば還元するし、儲からなければ給料を下げる。安定を求める人にとってはかなりシビアな内容です。だけど幸い今のところ社員は辞めないでついてきてくれているのがありがたいですね。
僕は将来的には、社員の給料を平均年収700万円にしたいと思っています。それくらいのほうが夢があっていいじゃないですか。こんな片田舎でしかもエンタメを生業にしているわけのわからない会社だからこそ、そういう旨味をもたせたい。なんであいつら、変なことしかしてないのにそんなに給料高いんだよ。そんな風に言わせたい。そういう体制をいままさに作っているところです。
さて、本誌はそんな給料にまつわるお話。結構参考になりますのでまたシェアしていきますね。
働き手の給与(残業代などを除いた所定内給与)の伸び率は18年で0.6%にとどまる。
冒頭は、日本人の給料は18年前からほとんど上がってないよ、といっています。バブルの頃は右肩上がりだったけど、バブルが弾けてからはほぼ横ばいだそうです。
僕はバブルを知らないので、その実感がよくわかりませんが、会社員時代、1年経ったら給料が3000円しかあがらない、って感じでした。多い人で5,000円。つまり年収が4〜6万円しか増えないってことですよ(ボーナス除く)。それってエゲツないなと思いながら働いていました。でもそれが実態なのかもしれません。
僕の一緒に仕事している人(別会社)は、30代後半なのに手取り20万円いかないという人もいます。それが実態なのだと思うと、僕は日本人が結構金持ちだなと思っていましたが、2チャンネル創始者のひろゆきさんはライブ動画でいつも日本人は貧乏だから、って話をしていたのに納得せざるを得ない。
実際に他の国に比べると、日本人の給料はかなり低いようです。
日本の給料は総じて横並びで、上がりにくく、他の国にも劣るーー。
あまり差をつけない、というのが日本の特徴のようです。
さらに管理職においては、他国と比べると、小さな部長でアメリカ2424万円に対して日本は1406万円、と1000万円ほどの開きがあるんです。
それならもうアメリカで就職したほうが絶対いいよね!って思いますよね。だけど日本人は日本大好きなので文句言いながら安い給料で日本の企業に勤めるんですよね。その現実がわかっている人ならいいけど、稼げないのを知っていながら文句言うアホな社員とかほんとアホだと思いますよ。でもそんなアホな社員がたくさんいるおかげで安い賃金で働かせられるようになっているので、会社をやっている人たちはありがたく思っているんでしょうね。
「課長・部長であっても、極端に誰かへの配分が大きい状況は日本では受け入れられない。内部での公平性ばかりが重視される異質な労働市場だ」
本当、データからしてそんな状況ですよね。だからこそ我々のようなベンチャー企業にはチャンスだと思っていて、そういう当たり前の既存のシステムを壊していかなければならないと思っています。不平等でOK。給料もできるやつにはたくさん払って、できないやつは相応の給料。個人的にはプロ野球みたいな成果主義にしたいと思っています。
世の中不平等で満ち溢れているのに、変なところで平等の幻想をもたせようとするからおかしなことになると思うんです。不平等な世の中なんだから、会社だってそうあるべき。ただし、公平であるべきだと思っています。公平だけど不平等。これが良い形だと思います。
バブル崩壊以降、日本企業は労使とともに雇用を守ることを重視した。言い換えれば簡単にクビを切ってこなかった。ただ、公平性重視の給料体系では「果たして自分や他の人の労働力の価値はいくらか」という重要な視点がぼやけてしまうという副作用がある。
日本は簡単にクビにできないのが良くないですよね。アメリカみたいにどんどんクビにできればいいのに。基本的に超弱者に寄り添うのが日本のシステムなんだと思います。だから結局弱い方に引っ張られるので、伸びるものが伸びない。学校教育も基本的にはそういう方針だから、それが大人になっても根強いのだと思います。もちろん弱者救済は必要だと思います。だけど、これからの時代、余計個の力が重要になっていくので、弱者も救えない世の中になってくると思いますよ。自律の精神が本当に必要だと思います。
さて、次からは各企業の給与への取り組みを見ていきましょう。
急成長を続けるLINE。その給与の仕組みは人材獲得を強く意識している。社内と転職市場の双方での評価額を比べ、高い方を実際の金額として採用するのだ。
いいですね、こういう仕組みは。というか、企業も正直、人の価値なんてわからないんですよね。相場があって、あんたいくら位、ってあったほうがわかりやすいし楽。働く方にとってもわかりやすい。要するに電気屋のチラシみたいなもんですよね。他店より安い場合は高くします!じゃあ働きます!わかりやすいのが一番!笑
プラスチック成形用などの金型を設計・製造するクリエス精機
14年に見直した制度では基本給を一律にし、各社員の生産量を毎月開示する仕組みにした。そのうえで変動部分を完全な成果連動型にした。
この会社は金型を作る、という業務がわかりやすいので、成果もわかりやすいそうです。だから成果を入れた給与体系にしているようです。業務がわかかりやすいところはやれる範囲で判断できるからいいですよね。うちはもういろいろなことをやらなければならないので、こういうパターンは難しそうですね。
生産性の開示で誰がどの程度仕事をしているかという透明性が確保されているため、報酬に差があっても社員は納得しているという。
「透明性」って給与を決める上で非常に大事なワードみたいです。
僕もそれを信じていて、だからうちの会社では年齢給という形にし、ボーナスは全員でいくらって合わせた額を、それぞれの成果によって分配する仕組みにしています。だからお互いいくら稼いでいるかを知っている状況です。
そのためには会社の売上・粗利を全て開示し、いまいくら儲かっているのか、儲かっていないのかを見せています。
まぁそれによって社員が何を思っているのか知りませんが、経営側としては逆にやりやすくなりました。僕は別に嘘をつきたいわけでもないし、自分が得したいわけでもないのでこういう方法が取れるのかもしれません。
でも透明性ってかなり大事です。
評価の手法を試行錯誤してきた多くの会社に共通しているのが、何らかの形で透明性を高め、社員の共感を得ようとしていることだ。
要は、隠すからよくないんであって、なにも隠しようがないんだったら、納得するしかないよねって状況にすることが大事なんでしょうね。結局、できてない人は誰かのせいにしたいんですよ。人や制度のせいに。自分のせいにしたくないんですよ。だいたい優秀な人って総じて自分のせいにする人です。人のせいに絶対しない。自分が悪かった。そう思えることで成長できるんです。人のせいにしていたら、絶対成長しないですよ。だけど、そういう人もいるわけで、特に大きい会社なんて誰がいるのかわからないから、ある程度制度をガラス張りにするしかないんでしょうね。
未来工業には「給与の原資が足りないなら全員で稼いで補おう」という発想が根っこにある。
稼ぐ力を生み出すため、「常に考える」というスローガンが社内に掲示され、工場には「何故 ナゼ なぜ」という看板がぶら下がる。「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)を禁じる社内ルールを設けているのも、従業員が自発的に考えて行動するよう促すためだ。
この取組みいいですね、最高ですね!
考えることをなくしたら人間終わりだと思っています。自分で考えられる人になる、というのは自分の会社でも思っていることです。
そのためにホウレンソウをなくすというのは目からウロコでした。禁止する、っていうのがいいですね。僕もできるだけ意見をするときは、これはダメ、こっちはどう?と代案を出すようにしています。「代案なき否定はしない」という先輩の言葉を受け取ってやっています。逆に、これおかしいな、って思うことも、代案がなければそのまま通します。それは自分の実力が足りないがゆえに気づかない、あるいは言語化できないだけなので。人から「なんとなく〇〇」っていわれるのすごく嫌いなので、そういうことはいわないようにしています。相談する時も、「こういう相談なんだけど、自分はこうしたほうがいいと思っていますが…」と自分の意見を言うようにしています。逆に答えを待つだけの場合は、いわれたことは否定をせずに絶対やるようにもしています。
感謝の言葉を伝えると、自然と相手にポイントがたまって、現金に化ける。ピアボーナスと呼ぶシステムだ。
そういうシステムがあるようで、メルカリやマイナビが導入しているようです。これ、すごく面白なって思いました!感謝の言葉を与えると、その人にポイントが付与されて、たくさんポイントを集めると、現金に変えることができるみたい。こういうゲーム化するのって素敵だなって思います。自分も導入したいし、こういうシステムを開発もしてみたい。
伊那食品工業。「年功を重ねると給与が上がる」という将来展望を社員に浸透させてきた。
長野の伊那食品工業。実は僕も数年前に視察に行ったことがあり、社長の塚越さんのお話も聞いてきました。年輪経営というやり方を実践されていて、売上も本当に年輪のようにじわじわ伸びている面白い会社です。社員にはそんなに無理させず、時代の流行を追わないから急激な拡大もしない。そういう考え方も正解なんですよね。
「日本企業は人件費を固定人位置づけるが、国際的には変動費とするのが一般的。米国などでは分配率に関連した指標を活用しながら、会社と従業員とが利益を分けることが多い」
いろいろ見てきましたが、結局正解というのはないんです。成果型が正しいこともあれば、年功序列型が正しいこともある。たぶん企業風土にもよるところも大きいと思います。
うちの会社は上の引用記事のように、労働分配率から計算してボーナスの定めを決めています。なのでちょっと米国仕様なのかも? 基本的には儲かったら還元したい。でも会社にも少し残してね。だから分配率で、割合で決めるようにしています。
ただ、うちの会社のシステムもすぐに変わると思っています。いま2人しかいませんから。売上規模も大きくなればいろいろお金の使いみちも変わってくるでしょうし。
トライしている企業は常に給料に対してもいろいろな方法を考えていて、トライしているので、自分もずっとこの部分については真摯に付き合っていきたいなと思っています。
まぁいずれにせよ、売上をあげないことには給料を支払えないので、まずは売上確保が最優先になるんだけどね。
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