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経営者はどう技術投資すべきか

 プログラミングに限らず、あらゆる技術は、完成するまでに相当の時間が必要で、完成しても、汎用的であればあるほど、さまざまな場面で使われる中で改良が加えられ、少し前に開発された技術は必然的に陳腐化します。ソフトウェア・アセットは、メンテナスしなければすぐに不良資産化します。さらに、ビジネスは必ず浮き沈みがあります。近視眼的な経営者は、ビジネスがうまくいっているときに技術投資を行い、そうでない時は縮小しがちです。この場合、ビジネスがうまくいっているときに技術開発を始めて、技術が完成した頃にはビジネスが下火になっていて、技術を上手く適用する余裕がなく、そのまま技術も陳腐化して負のスパイラルに陥ります。
 長期的な視点を持った経営者は、継続して、または苦しい時ほど技術投資をします。ビジネスがうまくいっていないときにこそ技術開発を始めて、技術が完成した頃に適用してさらに伸ばし、技術が陳腐化する間も持ちこたえて、ビジネスが落ち着いた頃に再度投資をする、という正のスパイラルになります。実際に、とある日本の大企業の50年分の経営情報と技術投資情報をさまざまな事業で分析して、スパイラルの方向が正か負かを定量化したことがあります。案の定、負のスパイラルの事業の多くは縮小または撤退しています。

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