見出し画像

優秀なプログラマーを集めるための秘訣

 経営者、特にプログラミングの知識がない経営者は、プログラマーの開発環境に気を遣わなければいけません。
 ある大企業の優秀な研究者が、仕事の内容にも人間関係にも全く不満はなかったにもかかわらず、ITリテラシーの低い経営者に失望したために退職してGoogleに再就職した、というエピソードが話題になりました。その理由の一つに、「パソコンのスペックが非人道的だ」、という表現がありました。経営者や管理者は、ハードウェアのスペック、ネットワーク環境、開発に必要なツール群はプログラマーの要望に応えるべきです。言われるまま整備しても、大した投資額にはならないでしょう。
 また、必要に応じて、直接の業務とは別に、学会や研究会、セミナー等に自由に参加できる環境、論文や発表などの準備のための時間や経費の裁量も与えるべきです。優秀な人材は、このような小さな理由で集まりやすくなります。おそらく報酬を若干上げるよりも効果的でしょう。プログラマーの求めるものは、とてもささやかなのです。
 さらに言えば、私は経営者にこそ、実際にプログラミングをしてほしいと思っています。むかしの経営者はいつもそろばんをはじいていました。比喩的な意味だけではなく、阪急グループを創設した小林一三や、電力会社の基礎を作った電力王の松永安左エ門の半生を紹介したドラマでは、実際にそろばんをはじいたり手で計算したりしている姿が描かれています。また、戦国武将の前田利家も戦場にそろばんを持ち込んで計算していたと伝えられています。経営トップ自らが計算し、シミュレーションして、どうやればミッションが成功するかを思考し続けていたのでしょう。
 当然、これからの経営者はあらゆるデータを自分で分析、シミュレーションするために、さまざまなツールを使いこなし、時にはプログラミングすることも必要になってくる。分析を他人に丸投げするだけの経営者は間違いなく絶滅すると思います。

2. そろばん


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?