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第15回 1920年代ー束の間の平和な時

1920年中には猛威を振るったスペイン風邪も終息し、(100年後に新型コロナに襲われましたが)人々は戦争も終わった幸福感を噛みしめていました。

アメリカは「黄金の20年代」と回顧している様に、大量生産・大量消費で自動車や電化製品があふれ、女性の参政権も認められました。(日本は1946年)また、最近大谷選手とよく比較されるベーブ・ルース選手が活躍したのもこの頃です。人々は株を買い漁り、利益を得る事が流行していました。

しかしアメリカ以外は多くは問題を抱えていました。オスマン・トルコ帝国が崩壊しましたが、大戦中にロシアに内通したと言われるアルメニア人が約100万人以上虐殺され(ほとんどは冤罪?)現在はクルド人も差別をされています。
またイギリスの「三枚舌外交」で英仏露で領土分割と言ったり、アラブ人の独立を認めると言ったり、ユダヤ人の国を作ると言ったりで結局パレスチナの争奪でそれは現在にも尾を引いています。
日本はアメリカ同様、大戦の被害を受けず好景気で「成金」と言われた人も多く出たのですが、1923年9月の関東大震災で一変しました。死者10万人以上、そして混乱からデマが起こりそのため虐殺された朝鮮の方も数千人に上ると言います。痛ましい事です。

ですが一番大変だったのはやはりドイツです。巨額な賠償金を払うため、紙幣を発行しすぎてハイパーインフレが起き、記録によると1914年7月、1ドル=4.2マルクだったのが、1923年11月には何と4兆2千億マルク。実に1兆分の1にマルクが下落してしまった訳です。
ドイツ国民の困窮、そして賠償金を取り立てる英仏、ベルギー。ここでアメリカが動きます。資本をドイツに大量投下、ドイツに稼がせそれを英仏などに渡し、最終的にはアメリカに返ってきて増々アメリカは富み栄える訳ですが。しかし何とかドイツにも光が見えてきた矢先、1929年10月に世界大恐慌が起こってしまうのです。(続く)

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