見出し画像

第88回 零(ゼロ)戦への期待

御前会議で、天皇は心配して言われました。
「国力の違うアメリカと戦って勝てるのか」
「短期決戦なら勝てる目もございます」
「ドイツが今、ソ連に侵攻して優勢なようです。ドイツがソ連に勝ち、日本とドイツでアメリカを挟み撃ちにすれば勝機があります」
「日本の空軍の方が技術は上です。零(ゼロ)戦は世界一とも言われております」

零戦は、堀越次郎という東大工学部首席の三菱電機のエリートを欧米に派遣し、研究させ、軽量化を重ね、攻撃能力も素晴らしいものになった戦闘機でした。前年(1940年)に運用され始め、紀元二千六百年を記念して、末尾の零を取って、零戦と命名したのでした。
これなら、欧米と互角に太刀打ちできるのではないかという期待を周囲は抱いたのでした。(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?