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第62回 原爆の小型化、可能に。

1940年4月9日、ヒトラーはデンマーク、そしてノルウェーを侵略しました。デンマークに居たユダヤ系のオットー・フリッシュ(リーゼ・マイトナーの甥)はちょうどその前にイギリスに脱出していました。
母がユダヤ系のニールス・ボーアは何故か逮捕されず留まるのを認められました。ボーアは亡命の手助けをするために残ったのです。しかしやがて弾圧が激しくなり、ボーアも国外に出て行きましたが。

イギリスで、フリッシュはドイツから亡命してきたという同じユダヤ系のルドルフ・パイエルスの所に寄宿させて貰い、核開発の研究に共に励む事になりました。
そしてバーミング大で、年も近く意気投合した34歳のパイエルスと37歳のフリッシュはサイクロトロンを使って原爆の小型化の理論に成功しました。
その論文は「フリッシュ・パイエルスメモ」と呼ばれました。

「これで飛行機にも積む事ができる!」
最大の懸案であった原爆の小型化というこのニュースは、一番原爆開発に興味を持っている海軍大臣のチャーチルに報告されました。チャーチルに笑みがこぼれました。ドイツより早く、確実に勝つ武器ができたからです。(続く)

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