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【コラム】エビデンスを調べようとする前に行うべき2つのポイント

 前回の【コラム】では、医療や健康に関する情報において、なぜエビデンス(臨床医学論文)が大事なのかについて解説しました。

  エビデンスと呼ばれる情報を重視する動機は、「雑な語り」の前提を疑った際に生じる疑問の解消にあったわけですね。したがって、エビデンスを探して、それを活用したいなぁ……と思う瞬間は、目の前に前景疑問が存在する時であり、その疑問に対する興味や関心が、最大限に高まった時だといえるかもしれません。

 僕たちは、自分が調べたい情報をGoogleなどで検索する際に、未だ知らない世界に対するワクワク感や、自分が知りたい答えにたどり着ける期待感のような感情に包まれていると思います。エビデンスを探す、すなわち論文検索を行う場合にも、このようなワクワク感や期待感に包まれていることがとても大事です。

 エビデンスを検索する際に、抵抗感やネガティブな感情が生じてしまう理由として、エビデンスの多くが英語で書かれた専門的な学術論文であること、検索をしてみたものの、どんな論文から読むべきか判断がつかない、そもそも上手く検索できない、などの障壁を挙げることができます。また、エビデンスを調べようとする動機に関して言えば、疑問の立て方が適切でない場合も少なくありません。

 今回のコラムでは、エビデンスで解決できる疑問そうでない疑問について明確にしたうえで、エビデンスを効率よく検索するための、疑問の整理方法をご紹介します。

エビデンスは前景疑問を解決するための情報源

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